テレビCMでも毎日目にするようになったワイモバイル。
ここ数年で格安SIMとしての認知度を爆発的に伸ばしています。
ドコモauソフトバンクなどの大手キャリアから’格安SIM’のワイモバイルに乗り換えをした人も多いのではないでしょうか。
しかしあえてここでツッコミをいれると、ワイモバイルは格安SIMではありません。
どういうことなのか?詳しく説明していきます。
関連リンク:ワイモバイル公式サイトはこちら
世間での認識はワイモバイル=格安スマホ
格安SIM検討中なのですが、ワイモバかLINEモバイルではどちらがオススメ!などありますか…?
— オコ・メ・チャン! (@hakumaisamaa) March 15, 2018
最近友人から格安SIMに乗り換えたいと相談を受けるけど、僕は業者では無いんだけどなー。
マイネオは話題もあるけど価格も安いけど、あんまり評判良く無さそう?
コスパ考えたらワイモバが安定かなー
— アキラ◆ルノアールSE(フリーランス・忘年会やるよ12/22) (@akira_heart458) March 16, 2018
世間での認識は「ワイモバイル=格安SIM」です。
それもそのはず、ワイモバイルがテレビCMなどでさかんに「格安SIM・格安スマホ」と銘打って広告を出していました。特にワイモバイルが誕生した直後はブランディングの為強調してCMをしていましたね。

ワイモバイルは格安SIMではない?
では、ワイモバイルが格安SIMではないとはどういうことでしょうか。
格安SIMの定義から説明します。
格安SIMとは「ドコモやauなどの大手キャリアの通信設備(電波)を借りて、利用者に提供される安価なSIMサービス」を指します。
ここで重要なのが、格安SIMは自社で通信設備を持っていないという点です。
ワイモバイルは2015年にソフトバンクに吸収合併され、現在はソフトバンク株式会社が「ワイモバイル」というサービスを運営しています。
そしてワイモバイルが吸収合併される前にはイーモバイルという回線を持っていて、イーモバイルの回線は現在のワイモバイルにも引き継がれています。
現状ワイモバイルはイーモバイル回線(自社回線)とソフトバンク回線どちらも利用しています。
つまり、ワイモバイルは自社の通信設備を持っているので格安SIMではないのです。
ワイモバイルは自社回線を持っているMNO
専門的な言葉を使うと、自社で通信設備を持っている会社のことをMNO(Movile Network Operator:移動体通信事業者)。
通信設備を持ってない(大手キャリアから借りる)会社をMVNO(Movile Virtual Network Operator)と呼びます。
MVNOは格安SIMと並んで語られることが多いので、聞いたことがある人も多いでしょう。
au・ドコモ・ソフトバンクは自社で回線を持っているのでMNO。
格安SIMは自社で回線を持っていないのでMVNOということになります。
では、自社でイーモバイルの回線を持っているワイモバイルは?当然MNOということになりますね。
ワイモバイル公式ページでの言及
実はワイモバイルの公式ページにも格安SIMなのかどうか言及している記事があります。
格安SIM・格安スマホ
文字通り、低価格で提供されるスマホなどの通信サービスのことをさします。
格安SIMと格安スマホはほぼ同じ意味で使われることが多いですが、格安SIMは「SIMカードのみ」を契約すること、格安スマホは「SIMカードとスマホをセット」で契約することとここでは定義します。
ワイモバイルは「格安SIM・スマホ」だけど「MVNO」ではない
ワイモバイルは通話込みのスマホ向けのプランを1,980円/月(スマホプランSで「スマホプラン割引」「ワンキュッパ割」適用時の1年間)から提供しており、スマホセットでもSIMカードのみでも契約することができます。さらに、ソフトバンク株式会社が運営するブランドなので、自社の回線を利用しています。
つまり、「格安SIM・スマホ」だけど「MVNO」ではないということになります。
3大キャリアとMVNOの中間的なブランドと言えますね。
ワイモバイルの定義では、格安SIMは「低価格で提供される通信サービス」なので、MVNOと異なるとしています。
たしかに「格安SIM」の定義はあいまいなので、そう捉えることはできますが…。実際の認知としては「MVNO」として認知されている気がしますけどね。
そういう意味でも「格安SIM」「MVNO」よりも「サブキャリア」とか「サブブランド」と呼ばれる方がしっくりきます。
戦略的な理由で格安SIMと言っている
ではなぜ格安SIMではないのに格安SIMとうたっているのか。
それは、戦略的な理由からです。
ワイモバイルが誕生した2014年の翌年、2015年は「格安SIM元年」とも呼ばれ「SIMロック解除の義務化」されるなど、大手キャリアから格安SIMへの乗り換えがより活発になる動きがありました。
それから数年間、格安SIMの利用者は右肩上がりに増えています。
ソフトバンクとしては、利用者を格安SIMに転出させたくない。しかし、ソフトバンクの料金を下げて収益をおとすワケにもいかない。
そうしてできたのが、サブブランドであるワイモバイルです。
そうすることで、ソフトバンクの競合はドコモとau。格安SIMと戦うのはワイモバイル、という構図になったわけです。
ソフトバンク転出の受け皿にも
ソフトバンクから他社に乗り換えをしようと手続きを進めると、必ず転出先(どこに乗り換えるのか)を聞かれます。
そこで「LINEモバイル」や「BIGLOBEモバイル」などの格安SIMの名前を出すと「ソフトバンクでも格安SIMをやっていまして、、」と言われてワイモバイルをおすすめされます。
ソフトバンクとしては、他社格安SIM会社に乗り換えされるよりも、実質自社であるワイモバイルに乗り換えされた方がいいですから。
ワイモバイルは「ソフトバンクから格安SIMに転出しようとする利用者の受け皿」にもなっているのです。
まとめ
ワイモバイルは格安SIMではなく、MNO。もしくはソフトバンクの「サブブランド」「サブキャリア」です。
しかし実際にワイモバイルを使う上ではそんなことはどうでも良く、「大手キャリアよりも安く、格安SIMより速くて安定」なサービスです。
高い料金は払いたくないけど、速くて安定した回線を使いたい。そんな方はぜひワイモバイルを試してみてください。
関連リンク:ワイモバイル公式サイトはこちら