Wi-Fiルータ-のようなIT機器は進化が早く、新しいものがどんどん出てきますよね。
2019年に登場した最新の通信規格「11ax」のおかげで、5,000円くらいのWi-Fiルーターでも不便なく通信ができます。
Wi-Fiルーターを長年使っていて、調子が悪かったり故障していたりして買い替えたいと考えている人も多いのではないでしょうか。
本ページでは、
「Wi-Fiルーターが壊れたので買い替えたい」
「新しい機種に替えたい」
と考えている方向けにおすすめのWi-Fiルーターの紹介と設定方法について解説します。
光回線の乗り換えを検討している方は合わせて下記ページもご参考ください。

目次
Wi-Fiルーターを買い替える際の注意点
Wi-Fiルーターを買い替えるにあたって注意すべきポイントは4つあります。
- IPv6形式の通信に対応しているか
- 同時に接続する端末数に応じてデュアルバンド・トライバンドを決める
- Wi-Fi6(11ax)に対応しているか
- 2階建て以上のお家で使う際はメッシュルーターを考える
Wi-Fiルーター選びの際に上記の点を抑えておかないと、通信速度が物足りなく感じたり、逆にオーバースペックになったりしてしまいます。
ここからは一つずつ解説します。
IPv6形式の通信に対応しているか
Wi-Fiルーターを選ぶ際は、IPv6形式の通信に対応しているモデルがおすすめです。
IPv6とはIPアドレスの形式を指すもので、一般的に使われている「IPv4」に比べると通信速度が安定します。
IPv4がIPv6よりも遅くなる理由は、発行できるアドレス総数が少ないため。IPv4ではアドレス数が枯渇する可能性があることから、混線時に通信速度が遅くなることがあります。
IPv4とIPv6のアドレス総数
- IPv4:約43億個
- IPv6:約340澗個
※1澗=一兆×一兆×一兆の値
2021年9月時点で販売されているWi-Fiルーターの大半はIPv6形式に対応していますが、中には非対応モデルもあります。
IPv6形式の方が安定した通信を利用できるので、選ぶ際はそれに対応したWi-Fiルーターがおすすめです。
同時に接続する端末数が多い場合はトライバンド対応モデルにする
同時に接続する端末数が多い場合は、電波の帯域数が多いトライバンド対応のWi-Fiルーターがおすすめです。
Wi-Fiルーターの電波の帯域数が1本のものを「シングルバンド」、2本を「デュアルバンド」、3本を「トライバンド」と呼びます。
通信帯域が2.4GHzと5.0GHzの電波を1本ずつ飛ばしているのがデュアルバンド、それにくわえてもう1本5.0GHzを飛ばしているのがトライバンドです。
- 2.4GHz⇒電波が遠くまで届きやすいが、他の家電や端末などに干渉されやすい
- 5.0GHz⇒電波が他の家電や端末などに干渉されにくいが、そこまで遠くまで届かない
電波の数が多いトライバンドルーターは、同時に通信する端末数が分散されるために、安定した通信が可能になります。
同時に接続する端末数が10を超えるような場合は、トライバンドルーター対応のWi-Fiルーターがおすすめです。
Wi-Fi6(11ax)に対応しているか
最新の通信規格であるWi-Fi6(11ax)に対応しているモデルであれば、これまで以上に高速な通信が可能です。
Wi-Fi6とは2019年に開始された通信規格のことで、それまで主流だったWi-Fi5(11ac)の1.4倍の速度で通信できます。
規格名 | 通称 | 最大通信速度 | 周波数帯 |
---|---|---|---|
IEEE 802.11ax | Wi-Fi6 | 9.6Gbps | 2.4GHz/5GHz |
IEEE 802.11ac | Wi-Fi5 | 6.9Gbps | 5GHz |
IEEE 802.11n | Wi-Fi4 | 600Mbps | 2.4GHz/5GHz |
IEEE802.11g | – | 54Mbps | 2.4GHz |
IEEE802.11a | – | 54Mbps | 5GHz |
IEEE802.11b | – | 11Mbps | 2.4GHz |
2021年9月時点ではWi-Fi6に対応しているWi-Fiルーターは、グレードの高いモデルに限られています。
7,000円以下の安いモデルでは対応していないことも多いため、購入前に確認しておきましょう。
とはいえ、ひとつ前のWi-Fi5でも充分に安定した通信が可能です。
Wi-Fi6非対応の値段の安いモデルを購入される方でも、安心してネットを利用できます。
メッシュルーターは2階建て以上のお家に住んでいる場合に考える
メッシュ対応のWi-Fiルーター(メッシュルーター)は、2階建て以上のお家にお住まいの場合に検討しましょう。
メッシュルーターとは複数のWi-Fiルーターから電波を飛ばすことで、より広範囲に届けられるモデルのことです。
従来のWi-Fiルーターでは2階建て以上の戸建て住宅だと、隅の部屋などで電波が届きにくくなってしまいます。
しかし、メッシュルーターであれば2階建てでも広域に電波を飛ばせるので、場所を選ばず通信できるようになります。
メッシュルーターのデメリットは、設置するルーターの数が増えるほど費用が高額になること。
一人暮らしの狭いお部屋で導入してもコスパが悪くなるだけなので、おすすめできません。
メッシュルーターは2階建て以上の広いお家に住んでおり、Wi-Fiルーター1台だけでは全体をカバーできない世帯に最適です。
もくじに戻るおすすめWi-Fiルーター4選
Wi-Fiルーターは多種多様なモデルが販売されていますが、性能はどれも似たり寄ったりなのが正直なところ。
定番の売れ筋製品から選んで問題ありません。
今回は以下4つの条件に適したモデルをピックアップしてみました。
一つずつ解説します。
なお、Wi-Fiルーターの選び方は以下の記事で詳しく解説しているので、気になる方はぜひご覧ください。

値段重視のおすすめモデル
「通信速度は不便に感じない程度でいいから安いモデルが良い」という方は、BUFFALOの「WSR-1166DHPL2/N」がおすすめです。
実売価格3,000円台で購入できる安価なモデルで、以下3つの特徴があります。
- IPv6対応
- ビームフォーミング対応により安定した通信を実現
- 12台も同時接続が可能
最新の通信規格であるWi-Fi6には対応していませんが、速度にこだわりが無い方はこちらのモデルを選べば問題ありません。
Wi-Fi6(11ax)対応、コスパのいいモデル
「通信速度にこだわりたいけど、そんなに高いのは変えない…」そんな方におすすめなのが、TP-Link社の「Archer AX10」です。
5,000円台で最新規格のWi-Fi6を利用できるため、高速通信を手ごろな価格で利用できるモデルです。
Wi-Fi6対応により有線接続よりも高速なネット環境を実現できるため、速度に悩まされる心配がありません。
コスパ良くWi-Fi6の高速通信を堪能したい方は、ぜひ買い替えを検討してみましょう。
2階建て以上でも安定かつ高速通信ができるメッシュルーター
2階建て以上のお家にお住まいの方はメッシュルーター対応のモデルがおすすめです。
エレコム社の「WMC-2HC-W」はサテライトルーター1台込みで15,000円と、コスパの良い金額でメッシュルーターを導入できます。
IPv6形式にも対応し、高速かつ安定した通信を家中どこにいても楽しめます。
同時接続台数は46台と大家族世帯での利用も想定されたスペックです。広いお家に住んでいてルーター1台では足りない世帯はぜひ検討してみましょう。
ハイスペックかつ高速なWi-Fiルーター
「ネット環境のためならとにかくハイスペックなWi-Fiルーターが欲しい!」そんな方はTP-Link社の「Archer AX90」がおすすめです。
値段は25,000円とこれまでのWi-Fiルーターよりも高めですが、
- IPv6形式に対応
- トライバンドルーターにより安定した通信が可能
- Wi-Fi6(11ax)対応
- 最新セキュリティ規格WPA3により、安心して利用可能
このようにあらゆる機能を搭載しているため、安定・高速・安心なネット環境が実現できます。
予算に余裕のある方は、ぜひ導入してみてください。
もくじに戻るWi-Fiルーターを買い換える際の接続方法
ここからは実際に買い替える際の接続方法について解説します。
入れ替えの前に下記の点に注意してください。
今使っているWi-Fiルーターがレンタル品ではないか
Wi-Fiルーターの入れ替えの手順は以下の通りです。
- 新しいWi-Fiルーターの接続を行う
- プロバイダ情報を確認する
- Wi-Fiルーターにプロバイダ情報を入力
- スマホでSSIDの認証を行う
バッファローの「無線引っ越し機能搭載」が付いている機種は「新しいWi-Fiルーターを接続してボタンを押すだけでOK」です。
バッファローの無線引っ越し機能。
新しいWi-Fiルーターの接続を行う

※赤い印のところ(WAN)にLANケーブルを接続する
最初にWi-Fiルーターを物理的に接続します。
環境によってはWi-Fiルーターを入れ替えただけでそのまま使えることがあります。
ホームゲートウェイ(HGW)という機器を利用している場合、後述するプロバイダ情報がすでに設定されていることがあるからです。

なのでとりあえずWi-Fiルーターを入れ替えて電源アダプタを接続してみましょう。
電源が入って数分後、インターネットに接続できればそのまま利用出来ます。
Wi-Fiルーターが起動したのにインターネット接続が出来ないという場合はプロバイダ情報の設定が必要です。
プロバイダ情報を確認する
プロバイダ情報とはプロバイダ(OCNやyahooBB、ビッグローブなど)が指定する
- 認証ID(ユーザー名)
- パスワード
です。
どちらも契約後に届く書類に記載されています。

現在Wi-Fiルーターを利用している場合、上記のプロバイダ情報がWi-Fiルーター本体に保存されています。
しかし新しい機種にはプロバイダ情報が登録されていないためネット接続が出来ません。
なので事前にプロバイダ情報を確認しておく必要があります。
プロバイダ情報を確認する方法は以下の3つがあります。
- 契約後に届くハガキで確認する
- プロバイダのマイページにログインして確認する
- 今利用しているルーターにログインして確認する
上記3つともやり方が分からない場合はプロバイダに直接問い合わせして確認した方が早いです。
Wi-Fiルーターにプロバイダ情報を入力
プロバイダ情報の確認が出来たら次はルーターに情報を入力します。
最近のWi-Fiルーターはスマホのみで設定が可能なので、スマホのアプリを使って設定することをおすすめします。
バッファローのルーターに関しては以下の記事で設定方法を解説しています。

TP-Linkの設定方法については公式サイトに取扱説明書があるのでご参考ください。
いずれも設定の大まかな手順以下の2つ。
- スマホをルーターに接続
- プロバイダ情報を入力(認証IDとパスワード)
でルーターの設定が完了です。
スマホでSSIDの認証を行う
Wi-Fiルーターが変わるとWi-FiのIDとパスワードも変わります。
前のものと合わせることも可能ですが、接続する端末(スマホやタブレット)が少ない場合はまた一から設定しなおした方が早いです。
スマホをWi-Fiにつなげる手順は以下の通り。
スマートフォンで「設定」→「wi-fi」とタッチし、購入したWi-FiルーターのSSIDをタップ。パスワードを入力するだけです。
手順が分からなかったり自分で進められる自信がなかったりする場合は、以下の記事を参考にバッファローのルーターを設定してみてください。

無線引っ越し機能があれば設定が不要!
「設定出来る自信がない」
「Wi-Fiのパスワードが変わるとめんどくさい」
という方は設定が不要の無線引っ越し機能が搭載されている機種を選びましょう。

下記のバッファローのルーターやハイエンドモデルなどは、無線引っ越し機能が搭載されています。
Wi-Fiルーターについてよくある質問と回答
Wi-Fiルーターを買い換える際によくある質問とその回答をまとめました。
Wi-Fiルーターの設定は必ず必要ですか?
必ずしも必要であるとは限りません。v6プラスの接続方式であれば設定は不要です。ただ、多くのケースにおいて設定が必要になってくるので、本ページをご参考ください。
Wi-Fiルーターのメーカーはどこがおすすめですか?
日本ではバッファロー、NECがシェアが大きく安心です。設定アプリも使いやすくておすすめ。それ以外だとI・O DATAやTP-linkなどもコスパがよくておすすめできます。
設定がわからない場合どうすれば良いですか?
どうしても自分で出来ない場合は家電量販店や契約しているプロバイダに相談すれば対応してくれます。その際出張対応になると1万円~2万円程度費用が掛かる可能性があります。
Wi-Fiを2階で使いたいのですが、3階建て対応のWi-Fiルーターを買えば届きますか?
正直確実に届くから大丈夫とは言い切れません。普通の木造住宅であれば届くとは思いますが、壁が厚かったりすると届かない可能性もあります。
Wi-Fiルーターはどれくらいの年数で買い換えるのがおすすめ?
特に故障したり、不都合が生じなければ何年使っても大丈夫です。ただ5年も経つと技術が進歩しているので、買い替えを検討しても良いと思います。
自宅のインターネット診断ツール 現在家庭用のインターネットは光回線だけでも数百種類あります。
自分の環境にどれが適しているか、どれがお得なのかはケースバイケースです。
4つの質問に答えて自分の環境に適したインターネットを診断してみましょう!
自宅でインターネットを利用する人数は?
あなた(及び家族の方)はインターネットの動画やゲームを利用しますか?
利用しているスマホの台数を教えて下さい(家族含む)
お住まいの自宅はどのタイプ?