スマートフォンよりも大画面で動画やゲームが楽しめるタブレット。
Kindleなどの電子書籍はもちろんのこと、最近では専用アプリを入れて、勉強や子供の学習に使われるケースも増えてきています。
MM総研の調べでは、現在の日本ではタブレット端末の出荷台数が増加傾向にあり、2020年度では出荷台数が1152万台にも上ったそうです。
一方、需要に合わせて様々なメーカーから数多くのタブレット端末が登場しているので、購入したくてもどれを選べば良いかわからない人も大勢います。
そこで今回は、これからタブレットを購入する人に向けて、自分に合ったタブレットの選び方とおすすめ端末をご紹介していきます。
タブレットの選び方
冒頭でもお伝えしたとおり、タブレットには様々なモデルが登場しています。
そこで、自分にピッタリのタブレットを選ぶためには、以下のポイントを抑えておくことが重要です。
それぞれのポイントについて解説していきます。
iOS・Android OS・Windowsから選ぶ
タブレットには、大きく分けて3種類のOS(オペレーティング・システム)があります。
- iPad OS(Apple)
- Android OS(Google)
- Windows(Microsoft)
タブレットの中でも特に有名な「iPad」には、Appleが独自に開発した「iPad OS」が搭載されています。
過去ではiPhoneと同じ「iOS」が採用されていましたが、2019年9月25日以降のアップグレードで、全シリーズでiPad専用のOSとなりました。
一方、Googleが開発する「Android OS」は、iPadやSufaceシリーズ以外のほぼ全てのモデルに採用されているOSです。
Windowsを搭載したタブレットは「タブレットPC」というカテゴリーになります。
そのため、タブレットを選ぶ際には、基本的に「iPad OS(iPad)か、それ以外か」で選ぶことになります。
iPadの特徴

iPadを一言で表すと「iPhoneの本体サイズを大きくした端末」です。
そのため、iPhoneを使っている人であれば、何の違和感もなく使いこなすことができるでしょう。
iPadの大きな特徴としては、iPhoneやMacBookとの連携がすばらしいの一言に尽きます。
AirDropならワイヤレスで写真や動画などを簡単に共有できるほか、SidecarでiPadをMacBookのサブモニターとしても使えます。
また、常に動作が安定していて、動作エラーが少なく、動きも非常に滑らかです。
さらに、Apple独自のセキュリティ性の高さも魅力的なポイントで、業務用として使用する企業も多いことが特徴です。
Androidタブレットの特徴
Androidタブレットの最大の特徴は、やはり種類の多さに尽きます。
国内では、スマホメーカーとしても有名な「富士通」、今ではスマホを製造していない「NEC」や「パナソニック」からも登場しています。
最近では「ASUS(エイスース)」「Lenovo(レノボ)」「Aser(エーサー)」「Samsung(サムスン)」「Huawei(ファーウェイ)」など、数多くの海外メーカーからも販売されています。
そのため、画面の大きさや重さ、ストレージの容量、おサイフケータイ機能といった付属機能など、自分好みの端末を選ぶこともできます。
Androidタブレットが登場した当初は、動作が不安定な部分も多く見受けられましたが、最近では動作も非常に安定しているので安心して使えます。
また、iPadに比べて価格が安いことから、子供向けの端末として購入する人も多いことが特徴です。
Windowsの特徴
Windowsタブレットは、一般的なパソコンと同じOSを採用していることから、全く同じ使用感で使えることが特徴です。
iOSやAndroidタブレットのアプリは、パソコン用のソフトウェアとは性能や機能が違うので、使い勝手が異なります。
ですが、Windowsタブレットを利用すれば、ほぼ同じソフトが使えるので、業務用の端末としても人気を博しています。
たとえば、Microsoft製の「Surface Pro」には、Windows10が搭載されていて、専用キーボードを付ければノートパソコンとしても持ち出せます。
ただし、スペック面を充実させたり、キーボードまで揃えたりすると、価格が20万円を超えてしまいます。
タブレットとしても利用できますが、一般的には「タブレットとして切り離せる業務用ノートパソコン」といったイメージが強いといえます。
画面サイズで選ぶ
タブレットの画面サイズは、大まかに分けると次の3通りがあります。
- 7〜8インチ(iPad miniシリーズなど)
- 9〜10インチ(iPad、iPad Airシリーズ、Sufaceシリーズなど)
- 11インチ以上(iPad Proシリーズなど)
これまでのタブレットは「7インチ」と「10インチ」の2サイズが主流でした。
しかし、スマートフォンの大型化が進んで6インチスマホが主流になってきた影響で、かつて人気だった7インチのタブレットは廃れてきました。
そのため、昨今ではほとんどのタブレットが10インチ前後のサイズ感で登場しています。
軽量化する10インチタブレット
タブレットが登場し始めた頃は、端末本体が無骨で重量もあり、片手で持つのは非常につらい印象がありました。
ですが、昨今の10インチタブレットは軽量化が進んでいて、片手でも操作しやすくなり、手軽に持ち運べるようになりました。
どれくらい軽量化されているかというと、第一世代のiPadが約680gもあるのに対し、最新モデルのiPad(第9世代)は約487gと大きな差があります。
さらに、2021年に発売されたばかりのiPad mini(第6世代)に関しては、8.3インチで293gと非常に軽いタブレットとなっています。
用途(動画・電子書籍・イラスト・学習用)で選ぶ
タブレットを選ぶ際は「そのタブレットで主に何をする予定なのか」によって、選ぶべきモデルが変わってきます。
たとえば、次のような例が挙げられます。
- 手軽に持ち運んでスマホよりも大きな画面で本を読みたい:7〜8インチ
- 映画やアニメなどの映像コンテンツを大画面で楽しみたい:10インチ以上
- イラストやノートアプリを活用して勉強用に使いたい:10インチ以上
上記はあくまでサイズ感で例を挙げましたが、タブレットで動画編集やIllustrator、Photoshopを使いたい場合には、ある程度のCPU性能も必要です。
また、タブレットに動画や写真、音楽データを保存して動画編集をしたい場合には、ストレージ容量が大きいモデルを選ぶ必要があります。
このように、そのタブレットで何をしたいのかによって選ぶべきモデルが変わってくるので、購入する前に用途を決めておくのがおすすめです。
機能で選ぶ(単独で通信が可能なモデル、子供向けの機能制限があるモデルなど)
タブレットには、単独通信が可能なCellularモデル(LTEモデル)や、子供向けの機能制限があるモデルなど、様々なバリエーションが存在します。
自分にとって本当に必要な機能が付いたタブレットを選べば、ハイエンド以外の安価なモデルも選択肢に入ってきます。
タブレットの付属機能として代表的な例を挙げていくので、本当に必要な機能かどうかを吟味して選ぶようにしましょう。
SIM・LTE対応モデル
スマートフォンは、基本的にそれ単体でデータ通信や電話機能を持たせるため、SIMカードやLTE通信の対応がなされています。
タブレットにもスマホと同様の単独通信が可能な「Cellularモデル(LTEモデル)」があります。
ですが、中には無線LANやテザリングのみでしかデータ通信ができない「Wi-Fiモデル」も存在します。
最近話題の格安SIMやeSIMでタブレットを使いたい場合は、Cellularモデル(LTE対応モデル)を選択する必要があります。
NFC機能(おサイフケータイ等)
NFC機能とは、非接触型のICタグ等と通信ができる機能のことで、おサイフケータイやモバイルSuicaで使われています。
スマートフォンにはおサイフケータイ機能が付いている端末が多いですが、タブレットでNFC機能を搭載している端末は非常に少ないです。
なので、標準的な使い方をする場合はNFC機能やおサイフケータイの対応有無を確認する必要はありません。
ただし、ICカード受信機として業務用で使う場合には、タブレットであってもNFC機能が必要不可欠となります。
HDMI、USB
タブレットには、HDMIやUSBポートが搭載されている端末があります。
ケーブルを使って接続すれば、そのまま外部モニターに画面を出力して、プレゼンテーションに使うことも可能です。
特に、HDMIポートがあるタブレットは、そのままプロジェクターに繋いで画面を投影できることから、ビジネス用として人気があります。
iPad以外の最近のモデルは、HDMIやUSBポートが標準搭載されているモデルが多いです。
タブレット購入時の注意点
タブレットを購入する際には、次の注意点に気をつけましょう。
それぞれの注意点について解説していきます。
直接SIMカードを入れたいならCellularモデル(LTEモデル)を選ぶ
タブレットを選ぶ際、SIMカードを入れたい場合には「Cellularモデル(LTEモデル)」を選ぶようにしてください。
Wi-Fiモデルを購入してしまうと、外出先ではポケット型WiFiやスマホのテザリングを使ってインターネットに接続するしかありません。
後からSIMカードの機能を追加することはできないので、外出先でWi-Fiに接続するのが手間に感じる場合は、SIMカードが入れられる「Cellularモデル(LTEモデル)」を選ぶようにしましょう。
音声通話機能はない(ビデオ通話で擬似的な通話は可能)
タブレットには音声通話機能がありません。
LINEやZoomなどのビデオ通話で擬似的な通話は可能ですが、緊急時の110番や119番などの電話はできません。
スマホでできることはタブレットでもほぼ全てできますが、通話に関してはどうにもならないので、完全なスマホの代わりとはならないことを覚えておきましょう。
キーボードやマウスを用意してもパソコンと同じ操作感では使えない
タブレットのBluetooth機能を使えば、キーボードやマウスを接続することが可能です。
ただし、iPadやAndroid OSの場合は、それぞれがタブレット専用のOSとなっているので、パソコンとは若干操作性が異なります。
また、アプリなどもタブレット専用のUI(ユーザーインターフェース)となっているケースが多いので、完全なパソコンの代わりとして運用するのは難しいといえます。
学習用途で購入する場合はストレージ容量に余裕のあるモデルを選ぶ
タブレットを学習用途で購入する場合は、ストレージ容量に余裕のあるモデルを選ぶようにしましょう。
アプリ本体のアプリ容量もさることながら、学習用アプリで勉強したデータなどもタブレット本体に保存されるため、容量が少ないとあっという間にパンクしてしまう恐れがあります。
ストレージ容量の空きが少なくなると、OSアップデートができなくなるばかりか、処理速度が遅くなって操作性も悪くなってしまいます。
いま使っているスマホのストレージ容量を確認して、余裕をもたせたストレージ容量のタブレットを選ぶのがおすすめです。
おすすめタブレット
では、具体的にどんなタブレットがおすすめなのか、を紹介していきます。
正直候補が多く、独断と偏見によって選出されています。
圧倒的なデザインと安定感が人気の「iPadシリーズ」
タブレットを購入するにあたって、大定番ともいえるのがAppleが手掛ける「iPadシリーズ」です。
2021年時点で、iPadシリーズには次のようなモデルが存在します。
- iPad mini 8.3インチ(第6世代):64GB、256GB
- iPad 10.2インチ(第9世代):64GB、256GB
- iPad Air 10.9インチ(第4世代):64GB、256GB
- iPad Pro 11インチ(第3世代):128GB、256GB、512GB、1TB、2TB
- iPad Pro 12.9インチ(第5世代):128GB、256GB、512GB、1TB、2TB
モデルによって画面サイズが異なり、上位のProモデルにはMacBookと同じM1チップが搭載されています。
圧倒的なデザインと安定感から「iPhoneは使ってないけどiPadは持っている」という人もいます。
値段は張りますが、Apple製品との互換性・デザイン性・安定性など総合的に評価が高い一品です。
MacbookやiPhoneを使っている方はiPadを選んでシームレスな使い方をしてみましょう。
コスパNo1の「HUAWEI MatePad 11」
MatePad 11は、HUAWEIというメーカーが発売しているタブレットです。
2021年7月に発売されたばかりの最新モデルで、10.4インチの大画面に7,250mAhの大容量バッテリーを搭載しています。
販売価格は5万円台〜となっており、上述のiPadシリーズよりも安い価格で購入できます。
大画面で映像コンテンツを長時間楽しみたいという人には、まさにうってつけのAndroidタブレットです。
圧倒的なコストパフォーマンスの「Fireタブレットシリーズ」
Fireタブレットシリーズは、大手通販サイトを運営するAmazonが出しているタブレットです。
Fireタブレットの最大のメリットは何といってもこの値段。20,000円を切る価格で最新タブレットを購入できます。
一番新しいモデルの「Fire HD 10 タブレット」は2.0GHzのオクタコアを搭載し、従来のFireタブレットシリーズよりも高性能。
容量は32GBと64GBから選択でき、価格は1.5万円と手軽に購入できる価格帯で販売されています。
初めてのタブレットやお子様用のタブレットとして一押しの商品です。
タブレットの選び方に関するQ&A
さいごにタブレットの選び方について寄せられた質問とその回答をまとめました。
iPadとAndroidのタブレットって何が違うんですか?
基本的にOSが異なります。それ以外にも、次のような違いがあります。
- iPadにはSDカード挿入口がないが、AndroidタブレットではSDカードが使える
- iPadはAppleがOSをアップデートすれば全端末で更新可能。AndroidはメーカーによってOSのカスタマイズがされるのですぐにアップデートできない
- Androidタブレットの方がiPadシリーズよりも安価な価格で購入できるケースが多い
iPadでSDカードを読み込みたい場合は、別途カードリーダーを用意しなければなりません。
そのため、トータルコストが安く済むのはAndroidタブレットといえます。「iPad OS」と「iOS」って何が違うんですか?
基本的な操作方法は同じですが、iPadOSはiPad専用のOSで「画面の大きさ」を活かせる機能が追加されています。
- 2つのアプリを開くことができる「Split View」
- 表示している画面上に別枠でアプリを表示できる「Slide Over」
- 「ファイル」アプリに保存しているデータを一覧表示できる
- iPadをMacシリーズのサブディスプレイとして使える「SideCar」
これらの機能は、iOSを搭載しているiPhoneでは使えません。
iPad OSを搭載しているiPadシリーズは、1つの画面上に複数のアプリを同時表示させたり、Macシリーズのサブモニターとして使いたい場合におすすめです。
タブレットのスペックは何を比較したらいいですか?
タブレットを選ぶ際は、次のポイントを比較して選ぶのがおすすめです。
- 画面サイズ
- OSの新しさ
- SIMカードの差込口の数
- CPUとメモリ
- 防水機能の有無
- カメラの性能
- バッテリー容量
- USBやHDMIスロットの有無
AmazonのFireタブレットが安いのはなぜですか?
儲けるポイントが端末販売ではなく、Amazonの書籍・音楽・動画ソフト販売にあるためと言われています。
安く端末を提供する代わりにソフトを買ってもらうため、AndroidOSのカスタマイズが施されています。タブレットではMicrosoft Officeが無料で使えると聞いたのですが…
Office Mobileが無料で使えます。
PC版のOffice(有料)よりも機能が制限されていますが、基本的なことはできるようになっています。
ただし、画面サイズが10.1インチより大きい場合は「Office365」のサブスクリプション購入が必要です。タブレット用のキーボードはどう選んだらいいですか?
まずは無線タイプか有線接続タイプか選びます。
有線だとケーブルが邪魔ですが動作が安定しています。
次はサイズ選び。大きいほどパソコンに近いタイピング感覚になります。
あとは日本語配列か英字配列キーボードかで選びましょう。iPad Proはパソコンの代わりになりますか?
iPad用のアプリはパソコンのアプリとは別物で、機能が限定的となる側面があります。
また、iPadにはUSBやSDカードのスロットがないので、完全なパソコンの変わりにはならないかと思われます。
どうしてもパソコンのようにタブレットを使いたい場合は、MicrosoftのSurface Proというタブレットパソコンがおすすめです。
USBやSDカードが使えるだけでなく、ソフトもPCと同じものが使えます。まとめ
タブレット端末は現在たくさん発売されていますが、簡単に分けるとiPhoneと同じ感覚で大画面を使いたい場合はiPad、価格重視で選びたい場合にはAndroidタブレットがおすすめです。
あとは、画面の大きさと必要な付属機能(おサイフケータイやHDMIなど)で選ぶのが良いでしょう。
ぜひ本記事を参考にして、自分にピッタリのタブレットを選んでみてください。