格安スマホ、格安SIMの普及が広がっています。
2016年3月のMM総研の調査によると現在格安SIMの利用回線数は500万件以上(前年比65%増)となっています。
利用率にいたっては約10%程度となっており、身の回りでも格安スマホ、格安SIMに乗り換えたという人もいるのではないでしょうか。
でもその前に、
「格安スマホってそもそも何なの?」
「格安SIMって?」
「いろいろ調べてみたけどよくわからない…」
という人も多いと思います。
というわけで本ページでは「格安スマホとかSIMとか機械が苦手だからよくわからない」という人でも分かるように、
「格安スマホって何?」
「SIMって何?」
「格安スマホと格安SIMって何が違うの?」
等について解説します。
格安スマホと格安SIMの違い
多くの人が言う格安スマホや格安SIMは一般的に月額料金の安いスマホを指していることが多いです。
「格安スマホに変えると月額料金が半額以下になる!」
「格安SIMに乗り換えて月額料金が2,000円くらいになった!」
格安スマホも格安SIMもいずれもドコモやau、ソフトバンクのスマホではなく、OCNモバイルONEは楽天モバイル等が提供する月額料金が安いスマホを指していることが一般的です。
つまりどちらも同じようなもので、特に格安スマホは人によって解釈の仕方が変わってくることが多いです。
だから分かりにくいわけですが…
厳密には格安スマホはスマホ本体のこと
格安スマホは厳密にはスマートフォン本体のことを指し、「格安のスマートフォン=格安スマホ」が厳密には正しいです。
ドコモやau、ソフトバンクで販売されているスマホ本体は非常に高額です。
iPhoneやSONYのXperia、サムスンのgalaxy、SHARPのAQUOSフォン等はいずれも本体価格6万円前後します。これを分割で購入するのが一般的です。
しかしスマホはこれ以外に本体価格が安いものがたくさんあります。
台湾メーカーが販売している人気機種、Zenfoneシリーズは2万~3万円前後、中国のハーウェイというメーカーが販売している機種はいずれも2万円~5万円程度のものが中心です。
物によって1万円前後のものもあります。
格安スマホは本来月額料金ではなくこれら「本体価格が安いスマホ」を指すのが厳密には正しいです。
しかしメディアがテレビCM等で、
「格安スマホはOCNモバイルONE」
「格安スマホに乗り換えるなら楽天モバイル」
等のように宣伝されたため、月額料金を下げるスマホ=格安スマホという認識が強くなりました。
今ではどちらかというと、
「格安スマホ=本体価格が安いスマホ」
ではなく、
「格安スマホ=OCNモバイルONE、楽天モバイル等」
を指すのが一般的です。
格安SIMとセット購入を指すことが多い
「格安スマホ=OCNモバイルONE、楽天モバイル等」と言いましたが、OCNモバイルONEや楽天モバイルは上述した安いスマホと後述する格安SIMをセットで販売しています。
そのため最近は、
「格安スマホに乗り換えた」
と言われる場合は、
「OCNモバイルONEや楽天モバイル等でスマホとセット契約して月額料金が安くなったもの」
を指すことが多いようです。
スマホは買わずSIMだけ購入して契約した場合は、「格安SIMを契約する」という感じで使われやすいです。
格安SIMは月額料金の安いSIMのこと
格安SIMは文字通り安いSIM(SIMカード)のことです。
ではSIMとは何か?
ということになりますが、SIMとは簡単に説明すると、契約情報を管理するカードのようなものです。
下のような形状をしており、私達が使っているスマホには必ずこのSIMが挿入されています。大きさは1cmくらいの小さいものです。
※SIMのイラスト。大きさは3種類あり、スマホによってSIMのサイズも変わってきます。

SIMは契約情報を管理するためのものであり、電話番号やメールアドレスはもちろん、データ通信(インターネット接続)も管理しています。
つまりSIMがなければスマホは電話も出来ませんしインターネット接続も出来ません。
ドコモの契約とSIMの関係
例えばドコモを新規で契約し、iPhoneを購入したとします。

ドコモに限らずauやSoftbankで購入したスマホには必ずそれぞれのSIM(ドコモならドコモのSIM)が挿入されている状態で渡されることになります。
なので電源さえ入ればそのまま電話が使えてインターネットに接続することが出来ます。
しかしこれはあくまでSIMが挿入されているためそのまま使えるのです。
iPhoneに挿入しているSIMを外すとそのiPhoneは電話をすることも、インターネットをすることもできません。
逆にそのSIMさえ入れればドコモで買ったiPhoneでなくても電話やインターネットを利用することが出来ます。
私達が普段ドコモやau、ソフトバンクに支払っているカケホーダイやデータ定額等の月額料金はスマホ本体ではなくSIMに払っているのです。

格安SIMは月額料金の安い回線業者と契約する
格安SIMは月額料金が安いSIMのことを指します。
その月額料金が安いSIM、つまり格安SIMを提供しているのがマツコデラックスでおなじみのOCNモバイルONEや楽天モバイル等です。
格安SIMを提供する業者はMVNOと呼ばれ、現在国内に数十社あります。
このサイトだけでも下記のMVNO(格安SIM提供業者)を紹介しています。
- 楽天モバイル
- ビッグローブモバイル
- IIJmio(おすすめ)
- DMM mobile
- mineo(マイネオ)
- ぷららモバイル(新規受付終了)
- so-netモバイルLTE
- OCNモバイルONE
- NifMo(ニフモ)
- エキサイトモバイル
- ワイヤレスゲート(パナソニック)
- トーンモバイル
- ゲオモバイル
これ以外にもたくさんあり、最近はほとんどの人が使っているメッセージアプリ、LINEでお馴染みのLINE株式会社がLINEモバイルが参入してきたりもしています。
SIMには通話できるものと出来ないものがある
上述したように格安SIMは様々な業者が提供していて、様々なプランが存在しています。
例えば楽天モバイルのプランの一例を挙げてみましょう。
下の表は楽天モバイルのプランです。
プラン名 | 通話SIM (税込) |
---|---|
〜1GB | 1年目まで無料 (2回線目は1,078円) |
1〜3GB | 1,078円 |
3〜20GB | 2,178円 |
20GB〜無制限 | 3,278円 |
※ベーシックプランは通信制限のない低速プラン(通信速度200kbps)です。
楽天モバイルに限ったことではありませんが、格安SIMには大きく分けて、
- 音声通話が可能な音声通話SIM
- データ通信、つまりインターネット専用のデータSIM
- データSIM(SMS機能付き)
があります。
SMSとはショートメールのことで、データ通信専用だとLINE等のメッセージアプリが使えないため、音声通話は出来ないけどLINEが使えるというSIMです。
3.1GB、5GB、10GBは通信容量を表し、例えば5GBプランで月間5GB以上のデータ通信をしようとすると速度規制が掛かってしまいます。
価格表をご覧の通りドコモやau等に比べて破格に安いです。
しかし上記価格にはスマホ本体代、通話料金が含まれていません。
だからとても安いのです。
セットで購入する安いスマホとは?
一般的に格安スマホと呼ばれるのはこれまで解説してきた格安SIMとiPhoneやXperiaに比べて安いスマートフォンをセットで購入することを指します。
下の画像は楽天モバイルの公式ページの一部ですが、楽天モバイルを含め多くの格安SIM提供業者はスマホ本体とセットでSIMを提供しています。

ここでセットで販売されているスマホはいわゆるSIMフリー端末、SIMフリースマホと呼ばれるものです。
SIMフリースマホって何?
SIMフリースマホとはSIMロックが掛かっていないスマホのことです。
ドコモやau、ソフトバンクで販売されているスマホはSIMがロックされており、それぞれ購入した会社のSIMしか利用できません。
例えばドコモで購入したiPhoneに楽天モバイルのSIMを挿入して使う、ということが出来ないのです。
楽天モバイルやOCNモバイルONE、イオンモバイル等で販売されているスマホはこのロックが掛かっていないスマホなので自社のSIMしか使えないということはありません。
セットで買えるSIMフリースマホは分割で買える
楽天モバイルやOCNモバイルONE等ではSIMとセットでスマホを購入するとスマホ本体を分割で購入して月額料金と一緒に支払うことが可能です。
一例を挙げると、楽天モバイルでセットで購入できる人気機種、ハーウェイのP9 liteは本体価格1万6990円、2年間の分割払いで月額674年で購入することが出来ます。
まとめ
上記をまとめると、
- 格安スマホ=OCNモバイルONE、楽天モバイル等
- 本来の格安スマホは本体価格が安いスマホ
- 格安SIM=月額料金の安いSIM
- 格安SIMは楽天モバイルやOCN等が提供している
- 楽天モバイルやOCNで格安SIMとスマホをセットで契約したものが格安スマホ
少しわかりくいですが、だいたいこんなイメージです。
格安スマホは現在人によって解釈が違い、スマホ本体のことを言っている人もいれば月額料金、つまりSIMを含めたものを指していることもあります。
なのでちょっとわかりにくいですよね…