一昔前までは外出時にインターネットを使う際はWiMAXやイーモバイル(現ワイモバイル)が提供するポケット型WiFiを利用するのが主流でした。
しかしここ最近格安SIM市場が拡大し、スマホだけでなくポケット型WiFi(モバイルルーター)として格安SIMを利用する人も増えてきました。
格安SIM×ポケット型WiFiは市販のSIMフリーのモバイルルーターを購入して格安SIMを装着すれば利用することが出来ます。
格安SIMはドコモやau、ソフトバンクのスマホと比較して圧倒的に安く利用できるため、ポケット型WiFiとして利用するのもお得に感じます。
しかし最近はポケット型WiFi市場も競争が激化し、非常に安価に利用できるようになりました。本ページでは格安SIM×Wi-Fiルーターと端末がセットになっているポケット型WiFiのどちらがお得なのか?を比較します。
7GBの格安SIMの初期費用及び月額料金
SIMフリーのスマートフォンやタブレット、そしてWi-Fiルーターの認知度や普及率上昇に合わせて近年、格安SIMには様々なプランがあります。
その中でもキャリアとの契約とセットで手に入るWi-Fiルーターに採用されることの多い7GBのプランを例にポケット型WiFiと比較してみます。
まず先に格安SIMの7GBプランを見てみましょう。
7GBプランのある利用者数のLINEモバイルとDMMmobileでみてみましょう。
LINEモバイルの場合
※現在は新規受付を終了しています
LINEモバイルの7GBデータプランは月額2,530円(税込)です。通信速度は下り最大375Mbps、上りは50Mbpsです。
回線はドコモのクロッシィ(LTE)で、初期費用は3,300円(税込)となっています。
DMMmobileの場合
DMMmobileの7GBデータプランは月額2,046円(税込)です。通信速度は下り最大375Mbps、上り最大50Mbpsとなっています。
※通信速度はあくまで提供会社が公表しているベストエフォート(最大値)です。
回線はぷららと同じくドコモのクロッシィなので実際はぷららとそれほど速度は変わらないと思います。
初期費用はぷららと同じく3,300円(税込)です。
月額料金もぷららとほとんど同じくらいですね。
参考記事:値下げしたDMMmobileって実際どうなの?評判、プラン等解説
Wi-Fiモバイルルーター本体の料金
上記格安SIMにはモバイルルーターの本体が含まれていません。
※下画像のようなやつです。

格安SIMでポケット型WiFiを使うにはSIMフリーのモバイルルーターが必要です。
新品のSIMフリーモバイルルーターの相場はだいたい1万円台前半から3万円弱と言ったところです。
タイムセールなどで急遽値段が下落したり、一見在庫があるように見えて実質在庫無し(取り扱い不可)となっている店舗もあるので狙っている機種があるなら小まめにウェブサイトなどを確認しておきましょう。
今回は比較対象とするためにモバイルルーターの本体価格を2万円とします。
ちなみに人気機種は次の2つです。参考程度にご覧ください。
NEC PA-MR04LN
価格は2万円弱。同メーカー最新機種PA-MR05LNが2016年9月に発売したと言うこともあり、旧品として今後価格がますますこなれていく事が予想されます。
LTE通信最大速度300Mbps、Wi-Fi最大速度867Mbpsと格安SIMと組み合わせて使用するのにまったく問題の無い速度を実現。
ちなみにPA-MR05LNはLTE最大速度375Mbpsで連続通信時間も延びています。
どちらの機種もデュアルsimに対応しており例えばプランの異なる格安simを2つ搭載して使い分けることが可能となっています。
HUAWEI Mobile Wi-Fi E5383
近年スマートファンやタブレットでもめざましい成長を見せているHUAWEIの人気モバイルルーターです。
PA-MR04LNと同等のLTE・Wi-Fi通信速度を誇り、かつ3,000mAhという大容量バッテリーを搭載している(PA-MR04LNは2,300mAh)ので長時間外出先でモバイルルーターを使われる方にオススメです。値段は1万円を少し切る程度です。
何よりもバッテリー駆動時間にこだわる方やセールで大きく価格差が付けばHUAWEIもオススメです。
また格安で済ませるなら中古品を探すという手もあります。
かなり昔のものなら中古ショップやネットオークションなどで数千円から手に入れることが出来ますが、バッテリーの持ちや通信速度などが新品と比べると大きく劣る場合があるのでご注意ください。
ポケット型WiFi(Y!mobile)の月額料金
SIMフリーモバイルルーター+格安SIMに対して、キャリアと契約するタイプのWi-Fiルーターはどんな料金になるでしょうか。
数多くのキャリアが存在しますが、ここでは月額料金が安く済むY!mobile(ワイモバイル)の401HWという機種を元に調べてみました。
Y!mobileは機種によって契約可能なプランが異なるという方式を取っており、この401HWでは『Pocket WiFiプランSS』という契約のみです。
月額2,728円(税込)の三年契約で、月々のデータ量は5GBまでです。
格安SIMとは違いモバイルルーター本体は上記価格に含まれています。
が、一方で解約月以外の解約には違約金10,450円(税込)プラス本体代の残金が請求されるというデメリットもあります。
この本体代の残金というのがクセモノで、この機種はスマートフォンの毎月割のように総額46,200円(税込)を24回払い毎月1,925円(税込)の割賦とし、その分まるまる毎月1,925円(税込)の割引を適用することによって本体代を償却しており、途中解約すると24回払いの残り月×1,925円(税込)が請求されることになります。
また、通信速度は下り最大112.5Mbpsと格安SIMのLTEより公表値ではやや劣っています。ただしあくまでベストフォート(理論上の最速値)なので実際はほとんど変わりません。
2年間での総支払料
上記から2年間使用した際のそれぞれの総費用を算出してみます。格安SIMとセットで使用するWi-Fiモバイルルーター代金はザックリ2万円として計算しています。
単位:円 (税込) | 端末代金 | 初期手数料 | 月額料金 | 2年間での総支払額 |
---|---|---|---|---|
格安SIM | 22,000 | 3,300 | 2,046 | 74,404 |
Y!mobile | 0 | 3,300 | 2,728 | 68,772 |
見て分かるとおり、意外にも格安SIMを使用した方が割高となっています。
おおよそ5千円の差なので、Wi-Fiモバイルルーターを15,000円ほどで手に入れることが出来ればほぼ同等金額となるでしょう。
月額の料金ぞのものは格安SIMの方が安いため、2年と言わず長期的に使い続ければますます格安SIMの方が得になっていきます。
反対に数ヶ月程度のごく短期間のみでの使用でもY!mobileには多大な違約金(半年程度の利用後解約で4万円を超えます)がかかるのに対し格安SIMはまったくかからないので得と言えます。
手元に余ったWi-Fiモバイルルーターは次回の機会のために取っておくも良し、性能と程度が良いのなら売ってしまうのも手です。
Y!mobile端末も買取を行っている店舗はありますがSIMフリー機種と比べるとSIMロック解除などトラブルの要因が多いためか行っていない買取ショップもあるようです。
格安SIMはいつでも解約できるのが最大のメリット
格安SIMは短期間で解約をしても違約金が発生するわけではないので短期間(数ヶ月~2年弱)のみの使用を考えている方におすすめです。
Y!mobile以外もキャリア契約は違約金や機種代残金が発生するのでオススメ出来ません。
またキャリアの短期解約はいわゆるブラックリスト入りの可能性も否定できないので、使用期間は短期ですが使用頻度は断続的にある方(例えば年数回の短期出張の時だけ使いたい、など)の場合もこちらが良いでしょう。
※ドコモやau、ソフトバンク、ワイモバイル等で短期間解約を繰り返すとブラックリスト登録され、新規申し込みが出来なくなる恐れがあります。
目的が定まっていない人にもおすすめ
また、利用期間・目的が定まっていない方にもおすすめです。今なんとなく使ってみたいけどすぐ飽きるかもしれないし不必要になるかもしれないし…と心配の方はまず格安SIMから始めてみるのが良いでしょう。
その際には中古のお安いWi-Fiモバイルルーターで初期費用を抑えておくとすぐ解約することになった場合でも痛手は最小限で済みます。
その時には長期間使い続けようと決めたときに最新機種を考慮すると良いでしょう。
最後に最新のガジェットに興味津々な方です。
モバイルルーターの世界は日進月歩なので複数社から新機種が出る度に速度の向上や新技術への対応などが期待できます。
そのため新しい機種が出たら是が非でも手に入れて試してみたい!という方は格安SIMの方が向いていると言えるでしょう。
キャリアですと選択肢が狭く、また尖った新機能を持つ機種はあまりリリースされません。
格安SIMは自己責任で利用する必要がある

格安SIMは便利ですが、運用にはある程度の知識が必要です。モバイルルーター本体を自分で選んでSIMを注文し、SIMの装着から設定し…こういった一連の流れを全て自分で行う必要があります。
各メーカーが力を入れ始めているということもあり以前と比べればハードルは下がっていますが、それでも店頭で必要事項を記入すればあとはスタッフが一から十までしてくれるキャリア(ワイモバイル)とはまだまだ差があります。
また格安SIMの場合は開通しないなどトラブルがあった場合もSIMと端末と設定どこに問題があるのか自分で原因を究明しなくてはなりません。
SIMを提供しているメーカーはSIMにしか責任を持ちませんし端末を発売しているメーカーは端末にしか責任を持ちません。
万が一複合的な要因でネットに繋がらなかった場合、原因を突き止めるには多大な時間と労力が必要とされることでしょう。
ワイモバイルは初心者向け
格安SIMと比べるとワイモバイルは初心者向けと言えます。
もちろんワイモバイル等のキャリアの場合もトラブルはありますが、少なくともキャリアに問い合わせれば話は進みます。ワイモバイルはドコモ、au、ソフトバンクと同様全国どこにでも店舗があります。
手間も含めてガジェット(通信機器類)に関わるのが好きな方は良いですが、ただ単に「外出時にネットがしたい」という方はワイモバイルの方が無難と言えます。
次に、盲点になりやすいですがクレジットカードを持っていない方にもワイモバイルはおすすめです。
キャリア契約の場合は銀行口座からの引き落としに対応していることが多いですが、格安SIMはクレジットカード払いのみが大半です。
今回の記事で言うとDMMmobileが該当します。もし持っていない場合はカードを契約して手元に届くまでそれなりの日数を要します。
クレジットカードは持っていないが今すぐに端末契約したい!という方や個人の信条などからカードを持たないという方はキャリア契約が無難かもしれません。
新規申し込みキャンペーンがある場合も
ワイモバイルをはじめとする大手通信会社でポケット型WiFiを契約すると新規申し込みキャンペーンの恩恵を受けることができる場合があります。
例えば現在ヤフーが提供するYahoo! WiFi(今回紹介したワイモバイルと同等プラン)はキャンペーン中に申し込みをすると大幅に安く契約することが出来る場合があります。
キャンペーンを考慮すると格安SIMよりもかなり安く利用できる場合もあるのでポケット型WiFiを検討している人はワイモバイル等キャリアから検討してみるもの良いでしょう。
当サイトおすすめのポケット型WiFi