ポケット型WiFiは様々な種類の製品を出していますが、使用している「電波、回線の種類」が少しずつ違います。

そのため、どんな電波を利用しているのか理解していないと
「入ると思ったのに電波が入らないぞ??」
ということになりかねません。
本ページでは、各社のポケット型WiFiを
- ドコモ
- ソフトバンク
- WiMAX
の電波別に比較していき、「電波の良い」Wi-Fiを発表します。
ドコモ・ソフトバンクの電波は比較するのにauは比較しないの?
と思ったことでしょうが、実はWiMAXを運営するUQコミュニケーションズはauの運営元であるKDDIの子会社なのです。
そのためポケット型WiFiを検討する場合は販売元は違えど主となる回線はこの3つとなります。
目次
ポケット型WiFiの電波の種類について
ポケット型WiFiの電波は基本的に下記の3つになります。
- ドコモ回線
- ソフトバンク回線
- WiMAX
それぞれの利用可能エリアをわかりやすく図にすると以下のようになります。
ドコモ回線のポケット型WiFi
こちらは言わずと知れたNTTドコモが提供しているサービスです。
全国で幅広く利用されており、通信可能エリアのカバー率も99%と対応エリアが非常に広いのが特徴です。
2019年にドコモが全国10都市1500地点で計測した実測値は最高で568Mbps、平均値で208Mbpsという結果が出ています。
※ドコモの発表記事はこちら
auやソフトバンクは都市部を中心に高速通信エリアを拡大しがちですが、ドコモは山間部や地方都市での通信エリアの拡大にも力を入れています。
都心から少し離れたエリアでも比較的繋がりやすいことも特徴の1つです。
ソフトバンク回線のポケット型WiFi
ソフトバンクが提供しているサービスです。
一昔前は電波が全く入らないと嘆かれていたソフトバンクでしたが、ここ10年で急速に持ち直した印象です。通信も非常に安定しており、大手キャリアという安心感もあります。
ソフトバンクの強みは「Hybrid4G LTE」という技術です。
これはソフトバンクが持つ2つのタイプの電波を同時に利用できるようにした技術です。
2つを同時に利用することで従来よりも高速なデータ通信が可能になり、現在ソフトバンクから発売されているほぼ全ての端末で利用できるようになっています。
ドコモ同様に総務省の基準(10都市1500地点)で計測された実測値がこちらのページに発表されているので確認したところ、下り最大338Mbps・平均135Mbpsでした。
ので、特別ドコモより速いということはないようです。
ソフトバンク系の電波は下記の3つのサービスで主に利用されています。
- ソフトバンクのデータ端末
- 「ワイモバイル」と呼ばれるソフトバンク傘下の会社が提供する端末
- Yahoo! JAPANが提供する「Yahoo!Wi-Fi」
WiMAX回線
WiMAXはKDDIのグループ会社「UQコミュニケーションズ」が提供している回線です。
WiMAXには「WiMAX」と「WiMAX2+」という2種類の電波があります。
- 主要都市の人口カバー率は99%
- 全国人口カバー率は90%
となっており、ドコモ・ソフトバンクの全国人口カバー率99%よりも低くなっています。
またカバーエリア内であっても環境によって電波の強さが安定しないという特徴があります。
WiMAX2+単体での実測結果はありませんが、auのLTEとWiMAX2+を含めた総務省基準の実測値は下り最大412Mbps・平均160Mbpsです。
※auの発表記事はこちら
携帯ネットワークとWiMAXの電波の違い
ドコモ/ソフトバンクに比べてWiMAXの利用可能エリアが狭くなるのはなぜなのでしょうか?
じつはドコモやソフトバンクと比較するとWiMAXには以下のような特徴があります。
- 電波を発信する基地局の数が少ない
- 電波の周波数が高い
その違いの結果どうなるかというと、
- 基地局の少なさゆえに電波の死角が生まれやすい
- 周波数が高いので回線スピードは速くなるが、障害物の影響を受けやすい
となります。
下の図は基地局の数の違いから死角が生まれる様子を表しています。
電波が良いおすすめポケット型WiFiランキング
電波が良く、総合的にお勧めなポケット型WiFi(モバイルWi-Fiルーター)を3つランキング形式で紹介します。
現状ではドコモ、au、ソフトバンクの電波を利用しているMugenWiFi・クイックWiFiが圧倒的にエリアが広くなっています。

対応エリア最大級
・月額料金も安い
・対応エリア最大級
・月100GBまで通信可能
などメリットが多いMugenWiFiは、エリアの広さ重視で選ぶなら間違いなくおすすめできます。
ドコモ、au、ソフトバンクのトリプルキャリア対応のため、他のどのWi-Fiよりも圧倒的にエリアが広いです。普通に生活をしていてエリア外になることはほぼないでしょう。
MugenWiFiの詳細
MugenWiFiの詳細は次の通りです。
項目 | 評価 |
---|---|
月額料金 | ★★★★★ 最安クラス。 |
通信容量 | ★★★★☆ 月間100GB |
縛り期間 | ★★★★☆ 縛りなしプランもあり |
対応エリア | ★★★★★ トリプルキャリア |
会社の信頼性 | ★★★☆☆ |
月額3,718円(税込)と業界でもトップクラスの安さが魅力のプランです。
契約期間の縛りはありますが、+660円で縛りなしの契約もできるのも魅力で、使用用途によってプランを使い分けることができるのも嬉しいですよね!
また、30日間お試しキャンペーンも行っているため、安心して契約することができます。そのため、現在最もおすすめ出来るWiFiの一つとなっています。
キャッシュバックキャンペーン実施中

Mugen WiFiでは現在、キャッシュバック13,500円キャンペーンを実施しています。
ただでさえ月額料金3,718円(税込)と低価格で利用できるMugen WiFiですが、このキャンペーン中に申し込むと、月額あたり実質3,293円(税込)になります。(2年利用時で計算)


MugenWiFiとほとんど遜色ないのがクイックWiFiです。
こちらもドコモ、au、ソフトバンクのトリプルキャリア対応のため、エリアが広いのが特徴です。
月額料金は3,718円(税込)と横並び。キャッシュバックは8,000円となっています。
キャッシュバック額がMugenWiFiの10,000円と比べて下回る分、今回は2位としています。
クイックWiFiの詳細
クイックWiFiの詳細は下表の通りです。
月額料金 (端末料金込) | U3(50GB):2,948円 G4Max:4,158円 |
契約期間 | 2年 |
支払い方法 | クレジットカードのみ |
データ通信容量 | 100GB/月 |
通信速度 | 上り最大:50Mbps 下り最大:150Mbps |
発送までの日数 | 申し込み日から1~3日 |


国内最大級のエリアだが割高
先述した通りドコモ回線のエリアは他キャリアに比べて圧倒的に広く、よほどの過疎地、山間部でも行かない限り繋がらないということはありません。
電波の良さ、エリアの広さだけを見ると「良い電波」であることは間違いないので同率2位にランキングされていますが、料金面を考慮するとまったくオススメできません。
ドコモ データ通信製品の詳細
ドコモのデータ通信製品に関してはドコモのポケット型WiFiの料金プラン、メリットとデメリットを分かりやすく解説するで解説していますが、基本的には今利用しているドコモの契約に月額1,900円を追加して利用する形となります。
利用できるデータ量はスマホで利用している容量が共有される形となり、例えば一人で5GBを使っている場合はその5GBのパケットをスマホとポケット型WiFiで共有する形となります。
利用するデータ量を増やしたい場合は容量を上げる必要があるためポケット型WiFiの基本料(1,900円)と合わせるとかなり割高です。
ドコモを利用していない人も単体で契約することが出来ますが月間5GBで月額6,000円程度と非常に高額になってしまうためお勧めできません。

GMOとくとくBBの詳細
GMOとくとくBBの詳細は下表の通りです。
項目 | ギガ放題 (税込) | ライトプラン (税込) |
---|---|---|
月額料金 | 1~2カ月目:3,969円 3〜24カ月目:4,668円 25カ月目以降:4,668円 | 1カ月目以降:3,969円 |
キャッシュバック | 最大30,000円 | |
受け取り方法 | 11カ月後に振り込み | |
他キャンペーン | クレードル無料 | |
選べる機種 | WX06, W06, HOME02 | |
支払方法 | クレジットカードのみ | |
解約方法 | マイページ |
キャッシュバックに特別な条件等はなく、契約する端末の機種(Wi-Fiルーター本体)によって若干金額が変わってきます。
最新機種でも最大30,000円のキャッシュバックを得ることが出来るGMOとくとくBBは、非常にお得なWi-Fiと言えるでしょう。
ただしドコモやソフトバンクに比べてエリアが狭く、電波が弱い場所も多いです。
電波の良さを重視する場合はあまりお勧めできないかもしれません。
通信速度の比較について
下記では各電波の通信速度を比較していきます。
各社が公称しているポケット型WiFiの通信速度(ベストエフォート)は以下の通りとなります。
- WiMAX…下り最大1237Mbps
※端末:W06 - ドコモ…下り最大988Mbps
※端末:Wi-Fi STATION N-01J - ソフトバンク…下り最大988Mbps
※端末:802ZT
上記のリストでは各社の最新端末で通信速度を比較していますが、通信速度は端末のスペックに左右されます。
気をつけなければならないのは、上の数値はあくまでベストエフォート(理論上の最大速度)であるということです。
とは通常インターネットを利用する際には、ここまでの高速通信は必要ありません。
下りの通信速度は10Mbpsも出ていれば十分。動画のような重いコンテンツでも見れます。
さて実際にポケット型WiFiを利用するとどのくらいのスピードが出るのでしょうか?
ドコモ回線はかなり速い
ドコモの回線は実際に高速通信が可能です。
夜中はほんと回線速度はやい!
2016/12/25 03:45:17
キャリア:NTT DOCOMO(Wi-Fi)
DL:62.05Mbps
UL:59.20Mbpshttps://t.co/tCV4pfiT2q #ドコモスピードテスト— かねごん (@kanegon1019) 2016年12月24日
2016/09/15 19:05:15
キャリア:NTT DOCOMO(Wi-Fi)
DL:120.79Mbps
UL:135.80Mbpshttps://t.co/WNZVB3YwK4 #ドコモスピードテスト流石にWi-Fiだと速いねw
— アニメ好きな乗り鉄@ごちうさ団No103 (@love_series205) 2016年9月15日
下り通信が最大120Mbps出ています。
この速さで通信ができると快適にネットサーフィンや動画視聴が楽しめますし、速度が遅くてストレスを感じるということはまずありません。
ソフトバンク回線も速い
また、ソフトバンクの回線も以下のような速度が出ています。
イオン日向店内のフードコートにあるWi-Fiの通信速度を測定してみました。(使用機器 : iPhone 6 (SoftBank版))
マクドナルド フリー Wi-Fi →下り速度 : 6.07Mpbs
SoftBank (ユーザー向け)→ 下り速度 : 33.42Mpbs pic.twitter.com/C2JQ6yT84q— 日向 平兵衛酢 (@hyuga_hebesu) 2016年12月15日
注目していただきたいのは一番下の「Softbank(ユーザー向け)」の下り速度です。
33.42Mbpsも出ています。先ほど「10Mbps以上あれば問題なく通信できる」とあったように、33Mbpsあれば全く問題なく通信できます。
ちなみにこの数値はイオン内で計測されたものです。
人が多い場所は必然的に携帯電話を利用する人が多く通信速度も遅くなりがちです。ですがその中で33Mbps出ているので、非常に繋がりやすいと言ってよいでしょう。
WiMAXは場所によって大きく変わる
対してWiMAXの数値は以下の通りです。
@ryosuke_the_end 置き台っつーかなんつうか…(ФωФ)
指すと充電できるよ台で、WX03はそこにアンテナついてるから電波強度が高いらしいのよね。
さらにLANささる口着いてるから、無線規格よりも早く通信できる(かも)です(ФωФ)
参考までに今のWiMAX速度 pic.twitter.com/LDLzJC499N— 暗黒狂戯界 ねこ(メジブレル田中) (@neko_ankoku) 2017年3月11日
WiMAXさん2階と1階明らかに速度が違いすぎませんかね
2階 80M
1階 2M pic.twitter.com/jgW1bQHSOq— ガチャピンさん@岡山晴彦 (@gatyapin401) 2017年3月10日
見ていただくとわかるように場所によって80Mbps、2Mbpsと速度にかなりバラつきがあります。
WiMAXは電波の入りが所によって悪く、特に建物内では不安定になりがちです。
地下やオフィス街などでは電波が入りづらくなりますし、地下鉄の電車内では問題なく使用できるのに、駅ビルなどの人が多く建物が密集している場所では使えないというケースも多いです。
WiMAXを持ち運んで使用する場合は、場所によって繋がりづらくなる点に注意しましょう。
対応エリアの比較について
各電波の対応エリアについて比較していきます。
下記の画像は各電波の対応エリアで、色がついてる箇所が実際に通信できるエリアになります。
【ドコモ回線の対応エリア】

【ソフトバンク回線の対応エリア】

ドコモ・ソフトバンクは同じようなエリアをカバーしています。2社ともに全国人口カバー率99%とも言われています。いずれも広さ、品質ともに最高水準ですがどちらも月間通信に制限が掛かるエリアでもあります。
【WiMAX2+(新回線)の対応エリア】

対してWiMAXは全国「主要都市」人口カバー率は99%ですが、全国人口カバー率は90%と若干他社から遅れをとっています。
どのポケット型WiFiでも全く使い物にならない地域はほぼありません。
田舎で極端に人が少ない山間部などは通じないこともありますが、人が住んでいる地域ならばどの回線も利用できます。
ですが出張や遠征で地方都市などへ行く機会が多い方は、カバー率の高いドコモがソフトバンクを選ぶことをお勧めします。
https://yasashikunet.com/wimax-eria/
ポケット型WiFiの電波に関するQ&A
さいごにポケット型WiFiの電波について寄せられた質問とその回答をまとめました。
mugen WiFiやクイックWiFiの端末ってSIMカードは入っているんですか?
SIMカードは入ってません。mugen WiFiやクイックWiFiがクラウド上で最適なSIMに切り替えるためです。ただしSIMカードを入れるスロットはあります。SIMカードを挿して管理画面でクラウドSIMから物理SIMに切り替えることもできます。
一番電波がいいポケット型WiFiはどれですか?
クラウドSIMと呼ばれるタイプのポケット型WiFiの電波がいいです。というのもドコモ・au・ソフトバンクのすべての回線が使えるためです。各社のLTEのエリア内でもっとも電波状態のいい回線を自動選択してくれます。
ポケット型WiFiのルーターに違いはありますか?
ワイモバイルやWiMAXの端末(モバイルルーター)には画面がありますが、mugen WiFiの端末には画面がありません。画面がある端末ならボタン操作で端末で直接設定ができますが、画面がない場合はブラウザのURL入力欄に「192.168.43.1」といったアドレスを入力し、管理画面から設定します。
自宅用のWi-Fiでオススメはありますか?
外出先でも自分専用のWi-Fiが欲しいならWiMAXやmugen WiFiがいいでしょう。しかしWiMAXは3日で10GBの制限がありますし、mugen WiFiも極端に多くの通信をすると制限がかかります。高速で大容量のWi-Fiを自宅に持ちたいなら光回線を契約し、無線ルーターでWi-Fi化したほうがいいです。
ポケットWiFは引越し先でもそのまま使えますか?
使えます。住所変更しなくても使えますが、会員ページから住所変更手続きはするようにしましょう。
トリプルキャリアのWi-Fiがあると聞いたのですがどういうことですか?
MugenWifiやクイックWiFiが有名です。クラウドWiFiといって、複数の回線をクラウド上で切り替えてくれます。そのため日本だけでなく海外でも使えるのですが、日本では3大キャリアの回線のうち、一番電波のよい回線を自動で選択してくれるため常に良い電波状態を維持できます。
無制限で使える持ち運び可能なWi-Fiはありますか?
現在、無制限で使えるモバイルWifiはありません。100GBや200GBなど大容量プランが出てきてますが、極端に多くの容量を使った場合には制限がかかります。なので本当の意味では無制限ではありませんが、一般的な使い方をする人にとって、100GBや200GBもあれば十分すぎるので、ほぼ無制限です。
ポケット型WiFiの電波が弱い時、外部アンテナを設置することはできますか?
WiMAXでは自宅に小さな基地局を作れるUQ宅内アンテナ(UQフェムトセル)という仕組みがあります。初期費用・月額料金ともに無料です。宅内工事があるので賃貸物件では大家さんの許可が必要ですが、電波状況が大幅に良くなるのでおすすめです。
WiMAXのクレードルを使ったら電波よくなりますか?
口コミを見るとほとんど変わらないようです。私も興味があって購入しましたが、ほとんど違いはありませんでした。
まとめ
今回は電波の良いポケット型WiFiを比較しました。
電波の速度・安定性やエリアの広さを重視する場合は、3キャリア対応のMugenWiFiとクイックWiFiがおすすめです。au・softbank・ドコモの回線が利用できるので、最も繋がりやすいポケット型WiFiと言えます。
WiMAXの場合はWiMAX回線一択となるので、基地局の少なさから、通信速度・対応エリアが少し不安要素になっています。
しかし都市部だけで使用するなら、通信速度も落ちずに安定しているのでWiMAXもオススメできます。
ただ、電波の良さで選ぶなら、料金が最安値のMugenWiFiが一番おすすめですね。