コラム          

自分でできる!壊れたパソコンのハードディスク(HDD)からデータを移行する方法

壊れたパソコンからデータを助ける

パソコンが壊れて画面が映らなくなったり、電源が入らなくなっても、データを記録しているHDD(ハードディスクドライブ)さえ壊れていなかったらデータを取り出すことが可能です。

小林
小林
データが残ってれば別のパソコンにデータを移せばいいんだね!

壊れたパソコンからデータを取り出す方法はいくつかありますが、本ページでは、ハードディスクから直接データを取り出す方法を解説します。

手順は大きく分けて3つ。

  • 壊れたパソコンのハードディスクを取り出す
  • 専用ケーブルと移行先のパソコンを接続する
  • データを取り出す

必要な機器、工具は2つ。

  • データ移行のための専用ケーブル(詳細は後述)
  • 壊れたパソコンのハードディスクを取り出すためのドライバー
    (ノートPCの場合は精密ドライバー)
ねとみ
ねとみ
ではやってみましょう!
HDD自体が故障している場合は?

本ページではHDDが故障しておらず、またHDDがすんなりパソコンから取り出せる状況下において有効なHDD(データ)取り出し方法です、多くの方から参考になったと声をいただいております。

しかし、HDDが故障していたり、HDDを取り出すのが困難な場合は自力でデータを取り出すのは難しいです。大切なデータを取り出したい、復旧したい場合は「専門のデータ復旧サービス」の利用を検討してください。当記事でも復旧率の高い技術力のあるデータ復旧業者も記事内で紹介しています。

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壊れたパソコンのハードディスクを取り出す

まずは壊れたパソコンからハードディスクを取り出します。

取り出す手順は機種によって変わってきますが、ほとんどの機種で割と簡単に取り出すことが出来ます。

※アップルのMacBookの場合はロジックボードと一体化されているため取り出しできません。

今回は手近にあったNECのノートパソコンで解説します。同タイプのものであれば別メーカーのものでも同様の手順で取り外しが可能です。

小林
小林
じゃ、パソコンを開けよう!

まずノートパソコン裏面を見て、ハードディスクが格納されているパネルを探します。

パッと見ても分からない場合はパネルを適当に精密ドライバーを使って開けてみてください。

NECの場合は下画像の右上のパネルを開くとハードディスクがありました。

パソコン背面のハードディスク取り出し口写真

こんな感じで精密ドライバーでパネルを開けるとハードディスクが見えてきます。ハードディスクの大きさは様々ですが、形状はだいたい同じで、10cm前後の長方形となっています。

パソコン背面のハードディスク取り出し口を開けたところ

取り出し方は機種によって変わってきますが、多くの機種でパネルを外し、固定金具に止まっているネジを取るとハードディスクを取り出せるようになっています。

機種によっては取り出しにくいものもありますが、ほとんどの機種でほとんどバラさずにハードディスクのみ取り出すことが可能です。

パソコンから取り出されたハードディスク

パネルがノリみたいものでくっついていることもあるので取り出すのに手間が掛かることがありますが、結構強引に取り出しても大丈夫です。固定金具さえ外せれば後は簡単に取り出せます。

小林
小林
これでハードディスクがパソコンから取り出せたね。次どうするの?
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専用ケーブルでPCとHDDを接続する

次に専用のケーブルでハードディスクと移行先のパソコンを接続します。

ケーブル(変換アダプタ)の値段は、1000円~3000円でアマゾン等で購入が可能です。

ねとみ
ねとみ
SATA USB変換ケーブルというものを選びましょう。

 

取り出したハードディスクのケーブル接続部はこのようになっています。

ハードディスク側のケーブル接続部
小林
小林
左の小さい端子はパソコンとつないで、右の大きな端子は電源コンセントとつなぐんだね。

ケーブルの構成は下の写真のようになっています。

ハードディスクとパソコンを繋ぐのに必要なケーブル3種両サイドが電源用。真ん中がパソコン接続用。
ケーブル写真電源ケーブルは2本を1本にして使う。
ねとみ
ねとみ
上の写真で使われているケーブルは一体型になってない古いタイプです。今どきのSATA USBケーブルは下図のように使います。
ケーブルをハードディスクとパソコンに挿すだけで簡単に接続できる

USBをパソコンへ接続し、電源プラグはコンセントに接続します。電源ケーブルには電源スイッチがあり、電源をONにすることでハードディスクに電源が入ります。

これで準備は整いました。

後はデータを移行するだけです。

小林
小林
いよいよ最終ステージだ!
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移行先のパソコンでデータを取り出す

取り出したハードディスクは外付けHDDやフラッシュメモリとほぼ変わらない状態です。

そのためデスクトップのPC(コンピュータ)を開けば接続したハードディスクのフォルダを見ることが出来ます。

接続したハードディスクを表示中のWindows画面キャプチャローカルディスク(E)というのが壊れたパソコンから取り出したハードディスク。

ローカルディスク(E)と表示されているものが前のパソコンで使っていたハードディスクです。

ローカルディスク(E)を開くと…

Windowsの画面キャプチャ(ローカルディスク)

どこに何が入っているか、どのようになっているかはケースバイケースだと思います。開いてみて確認してください。

ちなみに今回は「ユーザー」フォルダに取り出したいファイルがほとんどありました。

小林
小林
あとは必要なファイルを新しいパソコンに移動すればいいんだね!

このフォルダにアクセスする許可がありません。と表示される場合

アクセス権限を求められるフォルダでは下画像のように「このフォルダにアクセスする許可がありません。」と警告が出てきます。

小林
小林
えっ!?必要なファイルだからそれは困る!!

ですが、多くの場合「続行」をクリックすると開くことが可能です。

Windowsのダイアログ

開くことが出来ない場合はこちらのページ(外部サイト)を参考にしてみてください。

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HDDの故障やHDDを取り出すことが困難な場合

これまで解説してきた方法ではHDDが故障していたり、HDDを取り出すのが困難なパソコンの場合は対応ができません。

その場合、専門の業者に依頼するしかありません。

とはいえ、日本国内のデータ復旧業者は100社以上存在します。

どの業者もHPには「高い技術力」といったことが書いてあり、実際に技術力があるのかどうか判断するのが難しいです。

そんな中「デジタルデータリカバリー」は、95.2%と業界最高水準のデータ救出率をほこり、技術力は申し分ないといえます。

DDRまた、スピードも速く、最短当日かつ約80%が48時間以内に復旧できるというのも大きな魅力です。

東京大学やNTTなどの利用実績もあるので、セキュリティ面でも信頼がおけます。

無料で診断・見積もりが可能なので、まずはデジタルデータリカバリーに相談するのがいいでしょう。

MacBookなどのSSDにももちろん対応しています。

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HDDの故障原因

HDDが故障する原因は沢山ありますが、原因を分類すると大きく2つに分けることができます。原因によって復旧の難易度や故障の症状が違ってきます。

自身のHDDを確認し、原因から最適な復旧方法を探りましょう。

物理障害

物理障害とは、HDD(ハードディスク)に物理的な障害が発生している状態のことです。物理障害が発生する原因としては以下が挙げられます。

  • 落下などの強い衝撃
  • 静電気によるショート
  • 経年劣化
  • 水没
  • 熱暴走

などが考えられます。物理障害が発生したとき、HDDの動作が正常に作動しなくなることや異音が発生する場合があります。

なお、物理障害が発生してるHDDを修理するには、分解の作業が必要なことや分解専用の特殊な設備で復旧作業を行う必要があるなどの理由で、自力での復元が極めて難しいと言われています。

物理障害が発生している場合は、データ復旧業者に依頼するほか手段がないため、一度業者に相談することをおすすめします。

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論理障害

論理障害とは、HDDに論理的な障害が発生してる状態のことです。論理障害が発生する原因は以下が挙げられます。

  • 誤操作によるフォルダやファイルの削除
  • データの上書き中の強制終了など(強制終了、再起動を繰り返す)
  • HDDのフォーマット
  • ウイルス感染
  • HDDの不適切な取り出し

などが考えられます。論理障害が発生したとき、初期症状としてパソコンの動作が遅くなる、操作が反映されないなど、気が付きにくい場合があるため注意が必要です。

論理障害の場合、Windowsの修復機能で動作を正常にできたり、データ復元ソフトを使用して復旧作業を行うことができる場合があります。

しかし、上記の方法を行ってしまうと、データを消去することになったり、データの破損に繋がったりするため、確実で安全にデータを取り出したい場合は、データ復旧業者に相談することをおすすめします。

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HDDから安全にデータを取り出すために注意するべきこと

HDDからデータを取り出す際は、データ消失や破損のリスクがあるため、慎重に対処しなければいけません。データ消失や破損を起こさないために気を付けるべきことは以下の3つです。

  • 強制終了・再起動を繰り返さない
  • フォーマットしない
  • HDDを分解しない

データが二度と戻らない可能性もあるため、慎重に対処しましょう。

強制終了・再起動を繰り返さない

通常時でもHDDの故障が疑われるときでも「強制終了」や「再起動」は繰り返さないようにしてください。繰り返してしまうとHDDに重大な負荷がかかり状態が悪化する恐れがあるためです。また、物理障害が発生している状態で、通電を行ってしまうと、HDD内部の破損に繋がることもあるため注意しましょう。

小林
小林
強制終了しても反応しないときは何度も強制終了のボタンを押していたけど、パソコンに負担をかけすぎていたのか….

フォーマットしない

HDDを認識しない・読み込まないとき、「フォーマットを行いますか?」とPC画面にエラーメッセ—ジが表示されることがあります。「フォーマットを行わないと正しく動作しません」のように記載がありますが、フォーマットしてしまうとHDDに保存しているデータにアクセスできなくなり、大切なデータも二度と見られなくなる可能性があります。

HDDを分解しない

自分で復元を試みようとして、HDDを分解することは絶対にやめましょう。HDDの分解には専門的な知識が必要なことに加え、クリーンルームなどの専門の設備が必要です。無理に分解しようとすると、メーカー保証の対象外になってしまうだけでなく、復旧が不可能なところまで状態が悪化してしまう可能性があります。

ねとみ
ねとみ
分解は絶対にしてはいけないよ!
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HDDが故障したときによくある症状

論理障害が発生した場合は、初期症状に気が付きにくいですが、少しでも早い段階で故障の原因と前兆を紹介します。

異音が発生している

HDDを起動したとき、「カチカチ」「ガリガリ」「ガタガタ」と異音が発生することがあります。この場合は、「物理障害」が発生している可能性が極めて高く、自力での復旧作業が極めて難しいため、データ復旧業者に相談してみてください。

また、異音が聞こえた際は、データ消失に繋がるため通電することをやめましょう。

ねとみ
ねとみ
異音がしたらデータ復旧業者にすぐ相談!

焦げたような臭いがする

パソコンが焦げたような臭いがする場合は、直ちにパソコンの電源を切りましょう。

パソコン本体やHDDに不具合が発生している可能性があります。もし、HDDの基盤やチップがショートしている場合は、火災に繋がることにもなりうるため、少しで異変を感じたら通電をやめましょう。

HDDの電源が入らない、電源を入れても動かない

HDDの電源が入らない場合や電源を入れてもハードディスクが動かない場合は、故障が考えられます。

HDDは消耗品で、寿命が3~4年と言われており、意外と経年劣化が原因でHDDの電源がいらない場合も多いです。

HDD接続時にエラーメッセージが表示される

HDDが故障していると、HDDとPCを接続した際に「フォーマットしてください」「アクセスできません、アクセスが拒否されました」のようなエラーメッセージが表示されることがあります。

エラーメッセージの種類によって対処するべきことが変わるため、メッセージが表示された時点でメッセージの内容をしっかりと確認するようにしましょう。

小林
小林
エラーメッセージが解決しない場合は業者にそうだんしよう
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まとめ

上記のやり方でハードディスクさえ壊れていなければデータを取り出すことが可能です。

Windowsのパソコンであればハードディスクを取り出すことは割と簡単なので是非試してみてください。

ねとみ
ねとみ
パソコンがMacの場合、かなり旧型のものでないと取り出しできません。Time Machineという仕組みを使うととても簡単にバックアップが取れるので日頃からバックアップを取るようにしましょう。

また、SSDの場合でも同様の手順で取り出すことが出来ると思います(※未確認です)。

小林
小林
今回使ったタイプのハードディスクはHDDだったけど、SSDもSATA端子の形は同じだしね!
ねとみ
ねとみ
この作業をパソコンショップ等に依頼すると作業料1万円~掛かるので、出来そうな場合は自分でやってみるといいですよ。

また、HDDが故障したときのデータ復旧方法も解説しました。
自力で復旧したい人は「データ復旧ソフト」を、確実にデータを取り戻したい人は「データ復旧業者」に依頼することをオススメします。

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ハードディスクのデータ取り出しに関するQ&A

最後にパソコンのデータ取り出しに関する質問とその回答をまとめます。

  • 自分でやるのは嫌だなという方向けです。 壊れた、起動しないパソコンのデータ取り出し専門業者の料金はいくらですか?

    パソコンの状態にもよりますが、相場は10000円~20000円となっています。
    個人でやる場合当記事内のやり方ですと3000円前後で可能です。
    またおすすめの専門業者も紹介していますので、記事内をご覧下さい。

  • 壊れた、起動しないSSD搭載パソコンのデータは取り出しできますか?

    最近のWindowsPC及びMacbookはHDDではなくSSDという装置にデータが記録されています。WindowsPCでもMacbookでもHDDと同様の手順でSSDを取り出し、専用のアタッチメントでデータを取り出すことが可能です。ただし全体的に部品が小さく、またSSDのバージョンによって対応するアタッチメントもわかれているので少し難易度が高いです。

  • 分解の仕方がわからないのでHDDが取り出せません。

    HDDの取り出しの説明書などはありません。わからない場合は後述する業者などに依頼するしかないです。

  • HDDが故障していてもデータは取り出せますか?

    HDDが故障している場合個人の技術では取り出すことは出来ません。専門の業者に依頼すれば状態によっては取り出せることもあるようです。

インターネット案内人
ねとみ
ねとみ
フレッツ光販売、電気通信事業会社の営業経験あり。 光回線やWiMAX、格安SIMなどについて解説しています。 ご意見、ご質問、お問い合わせはTwitterのDM、リプライでお気軽にどうぞ!
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POSTED COMMENT

  1. ちび より:

    とても参考になりました!
    ずっと、データの移動どうしようと悩んでいたので。。。
    ありがとうございました!

  2. サラ より:

    起動出来なくなって、ハードディスクにトラブルがあるみたいなんですけどデータは諦めないと駄目でしょうか。

    • T.K.エルモ より:

      ハードディスクそのものにトラブルがある場合は修復は難しいと思います。

  3. muccha より:

    質問です。最近壊れたパソコンとかなり前に壊れたパソコンの2台のハードディスクを取り出して、端子が複数ついているケーブルに同時に接続しました。すると、古いハードディスクが強かったのか新しいハードの中に入って来てしまいました。それ以来、新しいハードの中の欲しいデータが見つからなくなってしまいました。上書きされてしまったのでしょうか?よく探せば見つかるのでしょうか?教えてください。

  4. なあみ より:

    こんにちは、はじめまして
    むすめのpcのデータを取り出したいと思ってます
    FMV LIFEBOOK SH54/J 2012年冬モデル
    なのですが中をあけてみたのですが
    IDEかSATAかわかりません。
    pcから取り出してみたいのですがケーブルの接続部分が見えないのでどうしたものかと
    古いものなのですが娘の大学時代の写真が沢山入っていて処分も出来ません

  5. きなむぎ より:

    ありがとうございます。
    簡単に移動できました。大切な資料があり、大変助かりました。

  6. みゆみゆ より:

    初心者です。

    NEC LAVIE PC-DA370GAW(windows 10)液晶一体型ディスクトップパソコンの画面が割れて壊れました。

    ハードディスクを取り出し、データの取り出しを考えています。
    ケーブル(Groovy グルービー HDD簡単接続セット UD-500SA)を接続して、
    古いパソコン ソニーVAIO PCG-2F1N (Windows Vista)を使って、取り出し操作可能でしょうか。ネットには、繋がっていません。

    すみません。
    教えてもらえますか。

    • ねとみ より:

      製品のスペックを調べてみましたが、UD-500SAで対応できそうなので、HDDを物理的に取り出すことが出来れば問題なくデータを出せると思います。

      難しいようでしたら再度ご連絡ください!

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