テレビのCMやインターネットの広告でよく目にする格安スマホ。
家電やマネー系の雑誌等でも多々見るようになってそろそろ乗り換えてみようと検討している人は多いんじゃないかと思います。
しかし最近はドコモはドコモ光とのセット割引、auはauひかりのスマートバリュー、ソフトバンクはソフトバンク光のスマート値引き等が登場して3キャリアでも固定回線とセットでかなり安く利用できるので格安スマホに乗り換えることが正しい選択とは一概には言えないように感じます。
というわけでキャリアの固定回線でセット割引(auのスマートバリュー等)した場合と格安スマホと固定回線(フレッツ光)を契約した場合どれくらいの差が出るのか試算してみることにしました。
※試算はあくまで参考です。
格安スマホと光回線の月額料金試算
格安スマホには様々種類がありますが基本的な価格帯はそれほど大きくは変わりません。
ここではスマートフォンとセットで購入出来てシェアの上位であるIIJmioを例に試算します。
ちなみにIIJmioは私も利用しています。
格安SIMで評価の高いIIJmioを契約してSIMフリー端末を使ってみた
モバイル条件設定
試算するための条件設定します。
格安スマホの魅力は音声通話機能の有無の選択、通信容量の幅広い選択等ですがここではキャリア(ドコモ、au、ソフトバンク)で利用者の多い5GBプラン(音声付き)を利用するとします。
IIJmioの音声機能付きプランの月額料金は下記の通り。
プラン名 | 2GB (税込) | 4GB (税込) | 8GB (税込) |
---|---|---|---|
データSIM | 748円 | 968円 | 1,408円 |
SMS機能付きSIM | 825円 | 1,045円 | 1,485円 |
音声通話SIM | 858円 | 1,078円 | 1,518円 |
8GBは税込1,518円です。
スマホ本体代金を見込む
しかしこれにはスマホ代が含まれていません。
IIJmioは現在2種類のスマホセット販売が登場しています。
ここではエイスースの最新機種であるZenfone7(端末標準価格 税込68,750円)のセットとします。
2,869円の24回分割払いなのでスマホ代を含んだ月額料金は4,387円となります。
通話料金を見込む
しかしこれには通話料金が含まれていません。
格安スマホは通話機能付きのプランでも自分が発信する分の通話料金は従量制(通話すればするほど課金される制度)なのである程度通話時間を見込んだ分を加算したものが実質の月額料金となります。
2014年のデータによると2013年の通話回数平均回数は1.0回です。
参考:携帯・固定電話の1日あたりの通話回数と1通話の通話時間をグラフ化してみる(2014年)(最新)
現在はもっと減っていることが予想されますので半数(データは通話回数なので掛かってきた場合を除いての半数)よりやや少ない12回とします。
1回当たりの通話時は2分24秒となっています。こちらも現在は減っていることが予想されますので半数よりやや少ない1分とします。
なので月平均1分の通話を12回したモノを加算するとします。
格安スマホの通話料金は30秒/22円(税込)なので月額に換算すると、1分12回で528円(税込)となります(繰り上げなので1分44円で計算)。
これで格安スマホの月額料金が決定しました。
IIJmio(8GB、端末込みプラン)4,387円(税込)+通話料金528円(税込)
=4,915円(税込)
となります。
実際通話機能付きの端末セットで格安スマホを利用している人の月額はこんなもんじゃないでしょうか。
光回線の月額料金
固定回線を含めた比較なので光回線を含んだ金額想定します。
IIJmioにはIIJmio光とのセット割がありますがここでは単純に「格安スマホとスマホセットを考慮したキャリアのプランはどちらが安いか」を比較したいので最も利用者の多いフレッツ光東日本の月額料金で試算します。
現在フレッツ光東日本の月額料金はプロバイダ料金を含めて5,100円(税込5,610円)です。
つまり格安スマホと固定回線の合計は9,290円となります。
格安スマホ+フレッツ光=10,525円(税込)
ドコモスマホとドコモ光を試算
次にドコモのスマホとドコモ光のセット割引を含めた試算を行います。
ドコモを含め他のキャリアには様々なキャンペーンがあってその都度変わってくる場合もありますがここではそれを考慮せず通常のプランで試算します。
ドコモの場合ドコモ光のスマホセット割が大きく発揮されるのはドコモシェアパックからの値引きなので少し分かりにくいですがシェアパックプランで試算します。
条件設定
ドコモの料金プランは非常に複雑なので公式サイトのシュミレーションを使って試算しました。
- 家族でスマホ3台
- ギガホーダイライト(各5GBまで)
- 通話は5分通話無料オプション(1回の通話時間5分以内なら通話し放題)
- 端末代金は月々サポートで実質0円
という条件でシュミレーションすると、
家族3人で12カ月目まで14,564円(税込)となりました。

しかしこれは家族3人なのでここから2人分のスマホ代を除外します。
スマホで掛かっている料金は一人あたり2,948円(税込)です。
これにドコモ光を足すと、
スマホ代8,844円(税込)+ドコモ光5,720円(税込)
=14,564円(税込)
となります。
ドコモスマホ+ドコモ光=14,564円(税込)
※ただし本計算はドコモ3回線を利用した場合であり、1人で利用した場合とでは違ってきます。参考程度の価格です。
auのスマートバリュー試算
次にauとauひかりのセット割引、スマートバリューを利用した場合の試算をします。
auも新規契約時に特典が多くauひかりはキャッシュバック等もありますが、今回はそれを考慮せず試算します。
条件設定
auはドコモと比べてシンプルなので試算がしやすいです。
- スーパーカケホ1回5分以内の通話し放題)
- 使い放題MAX 5G
- 家族割プラス
- auスマートバリュー
という条件でスマホ代の月額は7,903円(税込)となります。※下画像は割引後の料金。

これにauひかりの月額料金(5,200円)とスマートバリューによる値引き(1,100円(税込))を含めたモノがauで揃えた場合の通信コストです。
スマホ代7,903円(税込)+auひかり6,160円(税込)
=14,063円(税込)
となりました。
20GBまで使えるプランを選んだこともあって、ドコモよりもやや高いですね。
auスマホ+auひかり=14,063円(税込)
試算結果とまとめ
上記4種類の月額料金の試算結果をまとめると、
- 格安スマホ+フレッツ光=10,525円
- ドコモスマホ+ドコモ光=14,565円
- auスマホ+auひかり=14,063円
となり格安スマホが他社より安くなるというのは必ずしもそうなるわけではないという結果となりました。
格安スマホは思ったほど安くない?
今回の試算で気づいたことは「半額になる!」、「月額2,000円で使える!」と宣伝されている格安スマホとキャリアの差にそれほど大きな差が出なかったことです。
今回IIJmioとフレッツ光で試算しましたが、格安スマホと固定回線のセット値引きが出来るプランでもauのスマートバリューやドコモの光セット割ほど大きな値引きは出来ず、せいぜい500円引き程度なので最適に利用してもそれほど大きな差は出ません。
明らかにキャリアが安くなっている
昨年と同時期に試算をしていればおそらくこのような結果はなかったと思います。
というのも今回の試算に使ったドコモのギガホーダイライトプラン(5分以内の通話はカケホーダイ)というプランは今年登場したプランで、これにより従来より1,100円(税込)程度安くなっています。
更にドコモ光、ソフトバンク光の登場で統一すれば大幅に通信コストを下げることが実現し、格安スマホとの差はかなり縮まっていると言えます。
格安スマホに乗り換えるべきか?
今回の試算結果では月額料金だけ見ると格安スマホに乗り換えた方が安くなる可能性が高いです。
しかし今回の試算にはMNP(キャリア乗り換え)による新規契約特典やauひかりの新規契約時に得られるキャッシュバック等を考慮していません。
更に格安スマホで例えばiPhone等の高額な端末を利用したい場合は費用が嵩む半面、キャリアなら機種代0円でiPhoneを利用することが出来ます。
そして何より5分間に限られているとはいえカケホーダイがあり、メールアドレス、店舗によるサポート等を考慮するとこれから格安スマホに乗り換えるのは費用対効果が薄いような気もします。
固定回線をモバイルに揃えるべし
通話も全くせず、キャリアのメールアドレスも必要ない、店舗もなくて問題ないという人は格安スマホに乗り換えて通信費という選択はありですがそうでない場合、特にあまりよく分からないという人はそのままキャリアのスマホを使っても問題ないと思います。
ただし上記試算の通り、キャリアの携帯、スマホは固定回線と統一して初めて格安スマホに対抗できるくらいの月額料金になります。
例えばスマートバリューやスマート値引きを利用しなければ約1,500円高くなるのでそうなると3,000円近く格安スマホが安くなります。
もしまだ統一していなければ統一して通信コストを下げましょう。
ドコモの場合はドコモ光、auの場合はauひかり、ソフトバンクの場合はソフトバンク光を利用しましょう。
※ドコモ光はジェアパックからの値引きなので家族でシェアパックを利用していなければ値引きは出来ません。