2015年にスタートした光コラボレーション、今では多くの事業者が参入し、フレッツ光から回線を転用するユーザーも増えています。
「そもそも、光コラボレーションって何?」
「回線の転用ってどういうこと?」
という方も多いのではないしょうか。
光コラボレーション・転用ともに専門用語で一般には少し分かりにくいですね。
今回は光コラボレーション・転用を分かりやすく説明し、メリット・デメリットを解説します。
光コラボレーションとは
光コラボレーションとは、NTTが提供しているフレッツ光の回線をプロバイダなど他の事業者がレンタルし、独自のサービスを追加して提供する光回線のことです。
2015年に始まり、現在では大手プロバイダから携帯電話会社、電力会社まで、幅広い事業者が取り扱っています。
これまではNTTがフレッツ光を取り扱い、インターネットをOCNやyahooなどのプロバイダ業者が提供していました。
そのため私達利用者はNTTとフレッツ光の回線の契約を、プロバイダとインターネットの利用契約をという形で2つの業者と契約をしていました。

光コラボレーションはフレッツ光の回線を他の業者が自社のサービスとして取り扱い、ユーザーとのやりとりもNTTを介さず業者が直接行います。
そのため私達利用者は各プロバイダとのみ契約することでインターネットが利用できるようになりました。

各プロバイダが回線をレンタルしているのでドコモ光やソフトバンク光、OCN光など名称は違っていても回線自体はフレッツ光と全く同じです。
ですが、各プロバイダは独自でサービスを提供しているのでサービス内容や月額料金等が異なります。
代表的な光コラボレーション
現在数十種類の光コラボレーションが提供されていますが、代表的なものを上げると以下のようなものがあります。
回線名 | 会社名 | 特徴 |
---|---|---|
ドコモ光 | ドコモ | ドコモのモバイル(スマホ・ケータイ)とセットで割引 |
ソフトバンク光 | Softbank | ソフトバンクのモバイル(スマホ・ケータイ)とセットで割引 |
OCN光 | NTTコミュニケーションズ | OCNモバイルONE(格安SIM)とセット割 |
so-net光コラボ | ソニーネットワークコミュニケーションズ (so-net) | auスマホとセット割 |
@nifty光 | ニフティ | auスマホとセット割 |
ビッグローブ光 | ビッグローブ | 自社格安SIMとセット割 |
ぷらら光 | ぷらら(NTTグループ) | ひかりTVとセット割 |
DMM光 | DMM | DMMモバイル(格安SIM)とセット割 |
月額料金は各社大きく変わりませんが、各社自社で提供するサービスとセットで割引されるものが多いです。
詳しくは後述しますが「例えばドコモのスマホを利用している人はドコモ光とセットで割引が出来る」といったものです。

光コラボレーションの転用とは
転用とは、フレッツ光から光コラボレーション回線に乗り換えることです。
厳密には「乗り換え」とは違うのでこの場合「転用」と言われています。
光コラボレーション、例えばドコモ光やソフトバンク光はフレッツ光の回線サービスを再販したものです。設備そのものは変わりません。
そのためフレッツ光から光コラボレーションへ移行する際は回線の工事の必要がなく、簡単な手続きで移行することが出来ます。
また、転用すると完了後に自動的にフレッツ光を解約することになりますが、違約金などは一切掛かりません。
フレッツ光の転用方法
フレッツ光から光コラボレーションへの転用は回線工事が不要なので簡単な手続きでできます。
大まかな流れとしては、
- フレッツ光から転用承認番号を受け取る
- 新たに契約したい光コラボに申し込む
- コンサル(打ち合わせ)を行う
- 転用手続き完了後、利用開始
転用承認番号(以下転用番号)とは「予約番号、または整理券」のようなものです。携帯電話のMNP予約番号に似ていますね。
転用番号は電話もしくはウェブサイトから取得することが出来ます。
東日本でご利用の方はこちらから。
西日本の場合はこちらからそれぞれ転用番号を受け取ることが出来ます。
新しく利用したい光コラボ回線(ドコモ光、ソフトバンク光など)の申込を行う際にこの番号を伝える必要があります。
申込が完了したら工事の日程調整を行います。といっても回線工事が必要なわけではないのでこちら側は何もする必要がありません。
単に「〇月〇日に〇〇光(新しい回線)に切り替わります」という連絡があるだけです。
申込からだいたい1~2週間程度で光コラボレーションへ切り替わります。
光コラボレーションのメリットとは

光コラボレーション(以下光コラボ)には様々なメリットがあります。各プロバイダが契約者数を増やすために、キャンペーンを打ち出したり料金の値下げをしています。
フレッツ光より料金が安い
光コラボの料金はフレッツ光よりも安く設定されています。
例えば、フレッツ東日本の戸建てタイプでプロバイダをOCNにすると、月6,270円(税込み)かかります。これをOCN光に転用すると、月5,610円(税込み)になります。
月660円(税込み)も安くなるので、2年間使用すれば15,840円(税込み)も節約になります。
同じプロバイダでも、フレッツから光コラボに転用するだけでかなりお得に使用することができます。
キャンペーンが豊富
光回線といえば月額料金の割引やキャッシュバックといったキャンペーンが思い浮かびますが、フレッツ光では個人向けのキャンペーンはほとんど実施されていませんでした。
光コラボでは各事業者がより多くの利用者を獲得するために独自のキャンペーンを行っており、お得なキャッシュバックや特典をたくさん受けることができます。
回線の新規契約・転用の際には良いキャンペーンを行っている回線を選びましょう。

豊富なプロバイダから選べる
光コラボを実施している事業者の数は非常に多いです。
大手プロバイダであるビッグローブやSo-net、携帯電話会社であるソフトバンクやドコモ、さらにはDVDレンタルで有名なTSUTAYAなど、事業者の分野も多岐にわたります。
豊富なプロバイダの中から、自分の好みで選ぶことができます。
各プロバイダによってメリットが変わるので、自分にあったプロバイダを選びましょう。

スマホとのセット割ができる
携帯電話会社が提供している光コラボの場合、スマホとのセット割引が利用できます。
例えばソフトバンク光に契約すると、ソフトバンクのスマホを使っている場合はセット割で最大2,200円(税込み)の割引が適応されます。
各キャリアに対応した光コラボは下記の通りです。
スマホとのセット割は料金を非常に安くすることができます。
例えば月2,200円(税込み)の割引で2年間使用すれば、総計52,800円(税込み)の割引になります。
上記の3大キャリアのスマホを利用している人は、スマホとのセット割ができる光回線を選びましょう。
その他一部の格安SIMのスマホにも対応したセット割があるので、下記の記事を参照ください。

転用の場合は工事なしで乗り換えできる
通常の光回線の場合は乗り換える際に新しく工事が必要になることが多いです。そこでネックになるのが工事費の支払いです。
工事費は高いものだと4万円するケースもあります。
フレッツ光から光コラボレーションに転用する場合は、全く同じ回線を利用するので基本的には工事が必要なく、当然工事費もかかりません。
ただし、利用環境によっては光コラボへの乗り換えでも工事をしないといけないことがあり、その場合は工事費を支払わないといけないケースもあるので注意しましょう。
また、フレッツ光からの転用ではなく新しく契約をする際は回線工事が必要で、工事費も発生します。
フレッツ光の違約金が掛からない
転用の際はフレッツ光を解約することになりますが、その際にフレッツ光の違約金は発生しないようになっています。
例えばNTT西日本のもっと割は最大で3万円以上の違約金が発生しますが、これが免除されるのでメリットは大きいです。
ちなみに光コラボレーションの違約金はほとんどが1万円程度ですから、どうしてもフレッツ光を解約したい場合は一旦光コラボレーションに乗り換えてすぐ解約した方が違約金の負担が小さく済む、という抜け道もあります。
その点を考慮するとフレッツ光から光コラボレーションへの転用はメリットが大きいです。
光コラボ転用のデメリットとは

フレッツ光から光コラボレーションに転用した場合は多数のメリットがあることが分かりました。しかし、それと同時に気を付けるべきデメリットもあります。
料金が高くなるケースがある
基本的にはフレッツ光よりも光コラボレーションのほうが月額料金は安くなります。
しかし、ごくまれに光コラボに乗り換えたほうが高くなるケースもあります。
とくにスマホとのセット割を使っている人は、乗り換え先でセット割が使えなくなり料金が高くなることがあります。
乗り換えの際は今の回線の料金と乗り換え先の料金を比較して、安くなるかどうか確認が必要です。
フレッツ光のサービスが引き継がれないこともある
フレッツ光にはひかりTVやひかり電話などオプションのサービスがあります。
光コラボに乗り換えた際に、その会社がオプションサービスを行っていなければ、サービスを引き継ぎすることができません。
ひかり電話は比較的どのプロバイダも対応していますが、ひかりTVは対応してない場合が多々あります。
なので、ひかりTVを引き続き使いたい場合は対応しているプロバイダを選択しましょう。
以前の回線の工事費残金の支払いが発生することも
光コラボを転用は、以前の回線を解約して新たな光コラボ回線を契約します。この時に以前の回線の工事費残金の支払いが発生することがあります。
工事費を分割で支払っている場合は決めらた期間より早く解約すると、工事費の支払いが残っています。この工事費の残金が、転用先での料金に加算されます。
工事費分割も24〜30ヶ月で割っているケースが多いので、最低でも2年は使用しないと工事費残金を払うことになります。
悪質な販売代理店を掴むケースもある
光コラボレーションではNTTではなく各プロバイダと直接やりとりをするということでしたが、実際に回線の営業するのはプロバイダの販売代理店となっています。この中には悪質な代理店もあるので注意が必要です。
光コラボを行っている事業者は非常にたくさんいます。そのため競争が激しくなり、少しでも契約者を増やすために詐欺まがいの行為まで行う悪質な代理店があるのです。そういった代理店はとくに電話による勧誘が多いです。
なので、電話での勧誘・直接訪問で営業が来た場合は絶対に契約してはいけません。
一番安全なので、ネットから信頼できる代理店に申し込むことです。
まとめ
ここまで光コラボレーションや転用の説明とメリット・デメリットを解説してきました。
もう一度まとめると
- 料金が安くなる
- キャンペーンが豊富
- スマホとのセット割が使える
- 転用の場合は違約金・工事費がかからない
- オプションが引き継げないケースも
メリットがデメリットを大きく上回っています。とくにスマホとのセット割が利用できれば、料金がグっと安くなります。
光コラボへの転用はメリットがたくさんあるので、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか。

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