通信業者各社がNTTのフレッツ光を買取・再販して提供するドコモ光、ソフトバンク光、OCN光等の光コラボレーションが開始して2年余り。
各社はすで携帯電話やプロバイダ契約等で多くの顧客を抱えているので、営業の電話があった方も多いんじゃないかなと思います。
その中で4千万件の契約数を誇る携帯電話会社ソフトバンクは圧倒的な顧客リストを持っており、それに伴って当サイトにもソフトバンク光に関する問い合わせが多数寄せられています。
というわけで本ページでは、
「ソフトバンク光って本当にお得なの?」
「ソフトバンク光に乗り換えようと思っているんだけど・・・」
「光回線とかよくわからない・・・」
という人のためにソフトバンク光への移行のメリットとデメリットを解説します。
目次
フレッツ光とソフトバンク光の違いとは?
ソフトバンク光は「光コラボ回線」などと呼ばれているもので、フレッツ光とソフトバンク光は、実は同じ回線を使っています。
光コラボとはフレッツ光が提供する回線を別の会社が利用し、独自のキャンペーンなどをプラスして私たち利用者に提供しているインターネットサービスです。
また、フレッツ光から光コラボに切り替えすることを「転用」とよびます。
ソフトバンク光の場合はソフトバンクがフレッツ光から回線の提供を受け、そこにソフトバンク独自のサービスをつけて提供しています。
つまりフレッツ光もソフトバンク光も回線の大元は同じ。速度や安定性もほぼ同じになります。
回線は同じですが、展開しているサービスや料金は異なります。
フレッツ光とソフトバンク光の料金比較
料金は戸建てタイプかマンションタイプかによって変わります。
料金については以下の表を参照してください。
回線名 | ファミリー(税込) | マンション(税込) |
---|---|---|
フレッツ光 (東日本) | 6,270円 | 4,565円 ~5,665円 |
フレッツ光 (西日本) | 5,511円 | 4,103円 ~5,082円 |
ソフトバンク光 | 5,720円 | 4,180円 |
※フレッツ光、ソフトバンク光ともにプロバイダ料込の価格です
上記フレッツ光の月額料金は最安プロバイダ(月額 税込550円)のものですが、単純に月額料金を比較すると、ソフトバンク光は安いとも高いとも言えない微妙な所です。
ただ、フレッツ光のプロバイダで利用者の多いOCNやyahooBB等はプロバイダ料が月額1,100円(税込)程度なので現在フレッツ光を利用している人は上記料金よりも高いと思われます。
そのためプランにもよりますが、ほとんどのケースでフレッツ光からソフトバンク光へ乗り換えると月額料金が安くなります。
ソフトバンク携帯、スマホを使っている人はおうち割でかなりお得に

フレッツ光とソフトバンク光のどちらにするか、一番のポイントは「ソフトバンクのスマホを持っているかどうか」という点になります。
ソフトバンク光にはソフトバンクスマホを持っていると適応される「おうち割」があり、適応されれば最大で月1,100円(税込)の割引が受けられます。
ソフトバンク光のように携帯とセットで安くなる特典はフレッツ光にはありません。
ソフトバンクスマホを持っていて、この先もスマホの会社を変える予定がないのであれば、ソフトバンク光に変えない理由はありません。
月1,100円(税込)の割引が受けられれば2年で26,400円(税込)もお得になりますし、家族もソフトバンクスマホならさらにお得になります。割引される金額は以下の表を参考にしてください。
プラン | 割引額(税込) | |
---|---|---|
通話基本プラン | データ定額50GBプラス ミニモンスター | 1,100円 |
基本プラン(音声)(データ) | データプランメリハリ データプランミニフィット データプラン50GB+ データプランミニ | 1,100円 |
スマ放題 スマ放題ライト | データ定額ミニ 1GB (スマ放題の場合:1GB,2GB) | 550円 |
データ定額 5GB | 1,100円 | |
データ定額 20GB | 1,100円 | |
データ定額 50GB | 1,100円 | |
スマ放題 | データ定額 (3G ケータイ) | 550円 |
( iPad 専用)ベーシックデータ定額プラン for 4G LTE | 550円 | |
(タブレット専用)ベーシックデータ定額プラン for 4G | 550円 | |
4G/LTEデータし放題フラット、4Gデータし放題フラット+(ポケットWi-Fi) | 1,100円 |
ソフトバンク光移行のメリット
まず大前提としておきたいことは、あくまで工事費が発生しないフレッツ光からの移行の場合ということです。ソフトバンク光と新規契約した場合は相応の工事費(3万円前後)が発生してしまいます。
フレッツ光でも旧タイプのBフレッツや光プレミアム、VDSL等では工事費(2万円前後)発生してしまう場合があります。
大前提として高額な工事費が掛かってしまう場合は移行のメリットはほとんどありません。
というわけでメリットを先に上げると、
- スマホとセットで安くなる
- フレッツ光の違約金を回避出来る
- 移行は結構簡単に出来る
- キャッシュバックがもらえる
といったところです。
スマホとセット割が最大の魅力

ソフトバンク光は実はそれ単体では決してお得ではありません。
それもそのはず。ソフトバンク光はソフトバンクがフレッツ光を提供しているNTTから回線を買い取って再販しているわけですから月額料金を極端に安く出来るわけがないんです。
上述した通り料金を比較するとこんな感じ。価格はファミリープランです。
回線名 | 月額料(税込) |
---|---|
フレッツ光東日本 | 5,610円(最安値プロバイダ料込) |
フレッツ光西日本 | 4,741円(最安値プロバイダ料込) |
ソフトバンク光 | 5,720円 |
ご覧の通り、それ単体だとフレッツ光よりも高いです。フレッツ光西日本は特に安いですがその変わりに解約時の違約金がとても高額です。
ではどういうメリットがあるかというとスマホ、モバイルとセットで初めて月額料を抑えることが出来ます。
ソフトバンクの場合はソフトバンクのスマホとセットで値引きされるスマート値引きがあり、家族でソフトバンクのスマホを利用していれば1台あたり最大1,100円(税込)の値引きがされます。

光コラボレーションはそれ単体ではほとんどお得感はありませんがスマートフォン、モバイルと合わせて利用するとかなり安く利用することが出来ます。
フレッツ光の違約金を回避する

二つ目のメリットはフレッツ光を違約金を払わずして解約出来ることです。
フレッツ光からソフトバンク光に移行する際(Bフレッツや光プレミアム等を除いて)工事費が発生しません。
また、移行してもフレッツ光の解除料金(違約金)も発生しません。
つまりほとんど初期費用を掛けずに移行することが出来ます。
※事務手数料数千円は発生します。
※フレッツ光の工事費を分割で支払っている場合、移行時に残金が残っていれば引き続きそれを支払う必要があります。
例えばフレッツ光西日本の「もっともっと割」適用時は解約月以外で解約してしまうと最大で3万円の違約金が発生してしまいますが、ソフトバンク光へ移行する際はそれを回避することが出来ます。
家族でソフトバンクスマホを利用している場合等は事務手数料数千円支払うだけで毎月の通信コストを大幅に抑えることが出来るのでおすすめです。
工事なしで簡単に移行が出来る
通常フレッツ光から、例えばauひかりに乗り換える際は今使っているフレッツ光の撤去工事と新しく使いたいauひかりの回線引き込み工事が必要になってきます。
工事は通常立ち会いが必要でその時間に自宅に居なければなりません。数万円の工事費も発生します。
しかしフレッツ光からソフトバンク光への移行は基本的に宅内の工事が不要で通信業者側の工事のみで済みます。
契約が完了すると私達利用者は何もせずに工事費を迎えると新しい光回線が利用出来るわけです(ただしインターネットの初期設定が原則必要です)。
※新規契約や他社回線からの乗り換え、また旧タイプのフレッツ光(Bフレッツ、光プレミアム等)は工事立ち会いが必要で工事費も発生するためこのメリットはありません。
お得なキャンペーンが受けられる
フレッツ光からソフトバンク光への移行で、キャッシュバックを受けられます。
下記代理店からだと最大40,000円。
税込3,300円の事務手数料を差し引いても36,700円残るのでお得ですね。
メリットまとめ
光コラボレーションのメリットをまとめると下記のようになります。
- スマホ、モバイルとセットで使うと安く利用出来る
- フレッツ光の違約金も掛からない
- 工事不要で簡単に移行出来る
- キャッシュバックがもらえる
なので家族でモバイルとセット割を狙って乗り換えて利用すると良いです。
しかし工事費の掛かる新規契約の場合や旧タイプのフレッツからの移行の場合初期費用も掛かってしまうのでメリットは少ないです。その場合スマホとのセット割引で大幅に安くなる以外光コラボを利用するメリットはほとんどありません。

ソフトバンク光のデメリット
続いてソフトバンク光のデメリットです。
主なデメリットは下記の通り。
- スマホのセット割を利用しないと意味がない
- インターネットの再設定が必要
- 他社サービスを引き継げない
スマホのセット割がないと移行する意味がない
先に記載した表の通り、光コラボレーションの月額料金はフレッツ光や他社の光回線と比べても決して安いわけではありません。
場合によっては逆に高くなってしまうことがあります。
そのためモバイルとのセット割を利用しないとわざわざ手間掛けて乗り換えでもほとんど意味がなく、逆にデメリットの方が多いです。
インターネットの再設定が必要
回線の工事が完了してもそれだけではインターネットは利用できません。
インターネットを利用するにはインターネットの初期設定が必要になってきます。
同一プロバイダ間の移行(例えばyahooBBwithフレッツ→ソフトバンク光)は再設定をする必要がなくそのまま利用出来る場合がありますが、それ以外は再設定が必要です。
当サイトでもインターネットの初期設定に関する記事を書いていますのでご一読ください。出来そうになければ各プロバイダのサービスを利用する等して再設定する必要があります。
→ねこでも出来る!?フレッツ光の初期設定から無線LAN設定まで解説
乗り換え前のプロバイダサービスを引き継げない

フレッツ光からソフトバンク光に移行する際に一番注意したいことは移行前で利用していたプロバイダのサービス、特にメールアドレス等が引き継げないことです。
例えばOCN光withフレッツからソフトバンク光に移行をしてしまうと、OCNを解約することになるので「○○@ocn.co.jp」等のメールアドレスが使えなくなります。
もちろんプロバイダを解約しないことも出来ますがそのためだけに毎月税込1,100円(OCNの場合)を支払うのはもったいないですね。
こちらも同一プロバイダへの移行ならほぼ引き継ぎが可能です。
デメリットまとめ
光コラボレーション移行のデメリットをまとめると、
- スマホのセット割引きをしないと意味がない
- 回線速度が遅くなってしまう可能性もある
- インターネットの再設定が必要
- メールアドレスが引き継げない
ということです。
要するにスマホとセットで大幅に安くならない限り移行するのはデメリットが大きいので意味がないということです。
フレッツ光からソフトバンク光に転用するときの注意点
フレッツ光からソフトバンク光に転用するのは実はとても簡単で、回線工事なども不要です。
転用についての詳細や転用方法はこちらの記事でまとめていますが、大まかな流れとしては、
1.フレッツ光から転用番号を取得
2.ソフトバンク光の申込、その際に転用番号を伝える
3.契約完了から1週間程度で開通
です。
私達利用者はフレッツ光を提供しているNTT東西から転用番号を取得してソフトバンク光の申込を行うだけです。
ただ、転用そのものは簡単ですが、いくつか注意しておきたいことがあります。
転用する前に必ず以下をチェックしておきましょう。
転用でもお金はかかる
転用する場合は回線がそのまま使えるので工事は不要です。
しかし税込3,300円の契約事務手数料と、フレッツ光で利用中のプロバイダの解約手数料がかかります。プロバイダの解約手数料はプロバイダによって違いますが、3,000円から6,000円程度かかるケースが多いです。
契約事務手数料・プロバイダの解約料などがかかりますが、それでもおうち割が適応されるなら十分元が取れます。おうち割が適応される場合、各種手数料は特に気にすることは無いでしょう。
プロバイダは自動的にYahooBBとなる
ソフトバンク光はプロバイダ一体型のサービスで、プロバイダは自動的にYahooBBとなります。請求などは一括です。
そのためそれまでに使っていたプロバイダがYahooBB以外の場合、解約手続きをしなければいけません。
転用するとフレッツ光は自動的に解約になりますが、プロバイダ(OCNやso-net、ぷらら等)はこちらから解約手続きをする必要があります。
プロバイダを解約すると固有のサービス(プロバイダメール等)も解約することになるので注意しましょう。
プロバイダが変わる場合はルーターの再設定が必要
YahooBBのフレッツ光以外の場合、上述した通りプロバイダが変更となります。
その際ですが、例えばOCNからソフトバンク光へ変更した場合、ルーターの再設定が必要になります。
設定方法に関してはこちらの記事にまとめています。
わからない場合はソフトバンクへ問い合わせしてみましょう。
有料(1万円程度)ですが設定のサポートもあります。
転用するならネットの販売店がおすすめ
転用の手続き方法にはいくつか種類がありますが、最もオススメ出来る方法はオンライン申し込みです。それぞれの申し込み方法についてご説明します。
家電量販店で申し込みをする
家電量販店では様々な特典などをつけてキャンペーンを行っているケースが多いです。
しかしあまりお得にならない特典ばかりで、結果的に「この特典は要らなかった」と感じてしまったという声も多いです。
また、対面での販売は「押しが強い」「よく解らないまま契約することになってしまった」といった失敗談もよく聞かれます。ゆっくりと考えて契約をしたい方には向きません。
ソフトバンクショップで申し込みをする
ソフトバンクショップでは携帯やスマホとのセット契約をすることで割引が得られるキャンペーンがあります。スタッフも専門知識を持っている人が多いので比較的安心して契約できると言えます。
ですが、オンライン申し込みと比べると特典があまり充実していないというデメリットもあります。
オンライン申し込みで申し込みすると特典が得られる
対面ではないので押しの強い勧誘などを受けることもありませんし、自分でゆっくりと内容を確認できます。
オンラインでの申し込みは現金のキャッシュバックが受けられるケースが多く、料金などもしっかりと明示されているのでわかりやすいです。
また、仕事が忙しくてショップや家電量販店が開いている時間に来店するのが難しいという方でもネット申し込みならいつでも好きな時間に行えるというメリットがあります。
現在下記販売店ではYahooBB以外の方であれば転用または事業者変更の場合15,000円(税込)のキャッシュバックを得ることができます。
まとめ
もう何度も言っていますがフレッツ光からソフトバンク光への移行はスマホとのセット割引が大きくないとメリットがありません。
つまり、一人暮らしの人や家族バラバラでスマホを使っている場合等は移行するメリットはあんまりありません。
フレッツ光やauひかりのように新規申し込みによるキャッシュバックキャンペーン等もほとんどやっていないので単純に手間が掛かるだけです。
移行を考えている場合はモバイルとセット割引で全体的に安くなるかを考慮しましょう。

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