PCを使用中「データエラー（巡回冗長検査（CRC）エラー）です」というエラーメッセージが表示されお困りではありませんか？
このようなエラーメッセージが表示された場合どのように対処したら良いのでしょうか。
この記事では「CRCエラー」が発生する原因とその対処法について解説します。
目次
CRCエラー（巡回冗長検査エラー）とは？
CRCエラーとは、HDDやSSD、SDカード、USBメモリなどの記憶メディアでデータの一部が読めない、または発生したエラーが訂正されず、修復ができない状態のことです。
PCには「CRC（Cyclic Redundancy Check：巡回冗長検査）」と言われる、データを読み書きする際に発生したエラーを検知・補正し、データを正常に読み書きできる状態に戻す機能があります。
この「CRC」が何らかの理由で機能せず、正しく読み込みができない場合に、「CRCエラー」「巡回冗長検査エラー」「データエラー」などのエラーメッセージが表示されます。
CRCエラーが起こる原因
CRCエラーが起こる原因には以下のものがあります。
接触不良
HDDやSSD、SDカード、USBメモリなどの記憶メディアがPCに正しく接続されていない場合に、データを正しく読み取れず、CRCエラーが発生する場合があります。
接触不良を起こす原因として以下のものがあります。
- 端子の破損・汚れ
- 接続ポートの破損
- SATAケーブルの経年劣化
物理障害
物理障害とは、記憶メディア本体が物理的に破損することで起こる障害を言います。
CRCエラーを引き起こす物理障害には以下のものがあります。
不良セクタの発生
記憶メディア内のデータは「セクタ」と呼ばれる最小単位で構成されており、データを正常に読み取れなくなったセクタを「不良セクタ」と言います。
少量の「不良セクタ」が発生しても使用上に問題がありませんが、長期間使用していると不良セクタが増え、CRCエラーが発生します。
機器本体の破損
落下や水没、電気によるショート、経年劣化などの物理的な衝撃によりメディア本体の破損が生じ、CRCエラーが起こるケースがあります。
特にHDDの場合は、落下などで直接的衝撃が加わると、データの読み書きを行う磁気ヘッドが損傷し、データ記録面（プラッタ）を傷つけてしまいます。これにより、「カチカチ」「カタカタ」などの異音がしたり、焦げ臭い異臭が起こることがあります。
このような異音・異臭がする場合はHDDに物理的な破損が生じており、これ以上操作を続けると、データが完全に取り出せなくなってしまいます。
磁気エラーの発生
データ記録面（プラッタ）に傷が付いていなくても、経年劣化やホコリの付着により、磁気エラーが起こり、CRCエラーを引き起こす場合があります。
HDDやSDカードなどの記憶メディアはとても繊細な機器であるため、少しのゴミやホコリが付着しただけでも重大な障害を引き起こします。メディアを復旧しようと個人で開封や分解を行ってしまうと更なる状況を悪化を招き、専門業者でもデータ復旧が困難になってしまう可能性もあるため注意して下さい。
物理障害が生じたメディアを個人で復旧することは困難であり、無理に操作を続けるとデータが完全に失われる恐れもあります。記憶メディアの物理障害が疑われる場合は、作業を控えましょう。
論理障害
論理障害とはメディア本体の破損ではなく、メディアに保存されたデータにエラーや破損が生じ発生する障害を言います。
軽度な論理障害の場合、Windowsに搭載されている修復ツールやデータ復旧ソフトを使用して対処できる場合があります。ただし、重度の論理障害が生じたデバイスを個人で復旧することは困難であるため、確実にデータを復旧したい場合は、無理な操作は控えましょう。
CRCエラーを引き起こす論理障害には以下のものがあります。
レジストリ・レジストリファイルの破損
レジストリとは、Windowsでシステムプログラムやハードウェア、ユーザプログラムなどのシステム情報が保存されているデータベースを言います。
このレジストリ・レジストリファイルの破損は、HDDやSSD、SDカード、USBメモリなどの記憶メディアをデータの読み書き中に取りはずしたり、強制終了してしまうことが原因で発生します。
これによりデータにエラーや破損が起こりCRCエラーが発生してしまうケースがあります。また、作業中のシャットダウンやメディアの取り外しはデータベースに深刻な障害を引き起こす場合もあるため注意しましょう。
プログラム・ドライバなどのインストール
プログラムやドライブのインストールを行う際に、インストールに失敗してしまったり、ドライバが最新でないことが原因でCRCエラーが発生するケースがあります。
このような場合にはエラーメッセージが表示され、異常の察知がしやすいため、ドライバの状態が最新になっているかを確認し、再度インストールを実行して下さい。
ファイルシステムの破損
ファイルシステムとは、メディアに保存されるデータの管理や操作を行うための機能です。
このファイルシステムの破損により、CRCエラーが発生する場合があります。ファイルシステムの破損は、データ読み書き中の強制終了などが原因で起こります。
論理障害は個人で対処できるケースもありますが、誤操作などによりデータが上書きしてしまうなどの状況悪化を招く恐れもあるため注意して下さい。
CRCエラーが起きた際の注意点
CRCエラーが発生した場合には以下に注意して対処しましょう。
チェックディスクを実行しない
CRCエラーが発生した状態でチェックディスクを実行アウルことは控えましょう。
チェックディスクはWindowsに対して正しいファイルシステムに修正を行うためのものであり、ハードディスクのエラーの修復を行うことは出来ません。
また、CRCエラーが発生する多くの原因はメディアの物理障害であり、物理障害が生じたメディアをチェックディスクで修復することは不可能です。無理に操作してしまうと更なる状況悪化を招き、データが復旧できなくなる恐れもあります。
再起動を繰り返さない
CRCエラーが発生した際に再起動を繰り返し行うことはやめましょう。
再起動はメディアにとってとても負荷のかかる作業であり、既に不具合が生じた状態で再起動を繰り返してしまうと更に重症化してしまう場合があります。
特にHDDの場合は、磁気ディスクに傷が付きスクラッチ障害へと発展する恐れもあるため注意しましょう。
スクラッチ障害とは、データの記録を行う記録面（プラッタ）に傷がつくことで起こる障害で、HDDの物理障害の中で最重度の障害でもあります。
通電しない
CRCエラーが発生した際は、速やかにPCの電源を切り、通電しないようにしましょう。
通電を続けると、データが上書きされてしまうケースもあるため注意して下さい。
CRCエラーが起きた際の対処法
CRCエラーが起きた際の対処法をエラーが発生した記憶メディアごとに解説します。
HDDでCRCエラーが起きた場合の対処法
HDDでCRCエラーが起きた場合の対処法は以下の通りです。
周辺機器を確認する
メディアとPCを接続するケーブルの接続不良が原因でCRCエラーが発生するケースがあります。
ケーブルの交換や周辺機器の取りはずしを行うことで問題が改善される場合もあるため、周辺機器の再接続や交換を行ってみましょう。
内臓HDDを交換する
PCの内臓HDDの破損が原因でエラーが発生する場合は内臓HDDの交換を行うことで問題が改善される場合があります。
しかし内臓HDDの交換はPCの動作の復旧を目的とするため、交換を行うことでHDD内に保存されたデータは消えてしまいます。
データ復旧ソフトを使用する
軽度の論理障害によりCRCエラーが発生した場合、データ復旧ソフトを使用して対処できるケースがあります。
ただし、CRCエラーが発生する多くの原因は物理障害であり、物理障害が生じたメディアでデータ復旧ソフトを使用してしまうと完全にデータが復旧できなくなってしまうリスクがあります。
USBメモリ・SSD・SDカードでCRCエラーが起きた場合の対処法
USBメモリやSSD、SDカードでCRCエラーが生じた場合、これらメディアのセクタ不良や部品の経年劣化などの物理障害が原因であることが考えられます。
物理障害が生じたメディアの復旧を個人で行うことは困難であるため、無理に操作しようとせず、専門業者に相談することをすすめします。
DVD・CD（光学メディア）でCRCエラーが起きた場合の対処法
DVD・CD（光学メディア）の表面に、ホコリや汚れが付着したことが原因でCRCエラーが発生している可能性があります。
まずはDVD・CD（光学メディア）の表面のホコリや汚れを拭き取り問題が改善されるが確認しましょう。
データが必要な場合はデータ復旧業者に依頼する
CRCエラーが発生したメディアのデータを確実に復旧したい場合は、データ復旧業者に相談しましょう。
データ復旧業者には専門知識を有したエンジニアや、復旧に必要な専門設備が備わっているため、より確実な復旧を望むことが可能です。
大切なデータを確実に復旧したい方は一度データ復旧業者に相談することをおすすめします。
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まとめ
今回はCRCエラーが発生する原因と対処法について紹介しました。
CRCエラーが発生したメディアの復旧を個人で行う場合、どれもデータが失われるリスクが伴うのが現状です。
より確実なデータ復旧を行うためにもむやみに操作せずデータ復旧業者への相談をおすすめします。
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